ハリやコシ、白髪や薄毛対策にも! 1日1分で蘇る、血流改善の頭皮マッサージ。
撮影・内田紘倫 スタイリング・白男川清美 ヘア&メイク・大谷亮治 イラストレーション・小林マキ モデル・澤田泉美 構成&文・堀越和幸
当たり前のことだけれど、髪も頭皮の血管から日々の栄養を得ている。エイジングデザイナーの村木宏衣さんによれば、知らず知らずのうちにその栄養は滞りがちであるという。
「たとえば無意識に歯を食いしばっていたりするとすぐに頭の筋肉は硬くなり、血流が悪くなってしまいます」
頭皮は想像以上にデリケート。
「ちょっとした条件でパンパンに張ったり、逆にむくんだり、帽子のサイズもすぐに変わってしまうくらい」
髪の健康を取り戻すには頭皮の血流改善が一番の近道だ。
「ぜひ頭をマッサージする習慣をつけてください。短い時間で構いません。毎日頭を触ることが大切です」
CHECK 当てはまったら要注意。 あなたの頭皮の健康状態をチェック!
頭皮がつまめない。
まるでつまめない人は硬く凝っている証拠。頭皮は額の延長なので、本来は同じくらいに柔らかい。
グリグリすると痛い。
側頭部をぐりぐり押すと痛いのは、凝りやむくみのサイン。歯の噛み締めや眼精疲労に注意。
頭皮がぷよぷよする。
逆に弾力がなくぷよぷよする人はリンパの流れが滞っている証拠。マッサージで流れを取り戻そう。
衿足・額が角ばる。
頭は本来、一休さんのように丸い形が理想。それが凝ると頭蓋骨が引っ張られ、ハチや額、衿足などが角張り、ゴツゴツとしたシルエットに。
STUDY 弱った髪を復活させてくれる、頭の筋肉を把握しておこう。
マッサージに入る前に、頭皮を構成している筋肉やその役割も簡単に理解しておけば、一層の効果が期待できる。
「前頭筋は眉毛を持ち上げる筋肉で前髪のボリュームに影響し、後頭筋は頭全体の血流に関わります。側頭筋は目の使いすぎや、歯の食いしばりで硬くなりやすいのが特徴です」
頭頂部の帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)はほかに比べると血管が少なく、特に血流に注意したい。
「ここが滞ると薄毛の原因になりますので、気をつけましょう」
(基本のマッサージ)
朝1分を習慣にして、元気な髪で過ごす。
睡眠時に凝りやすいのが側頭筋。
「夜の噛み締めなどで硬くなりがちです。そのままにしておくと、一日元気のない髪で過ごさなければなりません」
朝、目を覚ましたら、指を広げてまずは側頭部から頭頂部へとジグザグ押して頭ほぐし。仕上げは手ぐしで頭全体をとかすように、溜まった老廃物を押し流す。
「この朝の1分を基本にしましょう」
◎ジグザグマッサージ 40秒
◎⼿ぐし 20秒
1.頭をわしづかみにするように左右同時に押さえ、側頭部から頭頂部へジグザグもみほぐす。
2.マッサージを終えたら、そのまま両手を額の生え際に。手ぐしで頭皮を後ろに押し流す。
3.滞っているものを流すようなイメージで、首、デコルテまでしっかり押し流す。
(耳マッサージ)白髪対策
耳を刺激して、頭の筋膜をリリース。
頭ではなく耳にアプローチするのは、耳の周辺には頭皮に影響するたくさんの血管が通っているから。
「耳を餃子の皮のようにまんべんなくつまむことによって、頭の凝り固まった筋膜を解きほぐすことができます」
特に耳に近い生え際は効果が高い。
「生え際の白髪に悩む女性は多いので、気になる人は朝晩、実践してください」
◎内回しと外回し 各10回
1.指で耳の中央を折り、前に10回、後ろに10回回す。折るのが痛い人はできるところまでで。
2.次に耳の上部を折り、同じように前後に10回ずつ回す。側頭筋に近い筋膜がほぐされる。
3.上部が終わったら、同じように耳の下部も折りながら前後に10回ずつ。反対の耳も行う。
(後頭部マッサージ)薄毛対策
血流の難所、後頭部を巡らせる。
頭の位置を安定させる後頭下筋群(右下参照)は、パソコンなどのデスクワークによって凝り固まりやすい。
「ここが固まると頭頂部につながる帽状腱膜が引っ張られ、血の巡りが悪くなります。それが薄毛の原因になります」
2種類の後頭部のマッサージで血流を巡らせたら、クセになった猫背の姿勢もなるべく改善していこう。
◎ジグザグマッサージ 30秒
◎「うんうん」「いやいや」 各10回
1.両手を後頭部に当て、指を揺らしながら下へとほぐす。首まで行うと血流が良くなる。
2.頭のつけ根(後頭下筋群)左側を小さくつまむ。そのまま、うん、うん、の動作を10回。
3.次に、いや、いや、の動作を10回繰り返す。右側も同じように行う。
『クロワッサン』1120号より