「人生の晩秋の体はじわじわと温める」、麻木久仁子さんの温活。
タレントの麻木久仁子さんが実践する温活を紹介します。
撮影・黒川ひろみ 文・松本あかね
朝の温活は、一日の始まりを応援してくれる存在です。
呼び鈴を押すと「はーい、どうぞ!」と溌剌とした声。料理をしたり、グッズを用意したり、きびきびと撮影の準備をしてくれた麻木久仁子さん。その麻木さんが温活に取り組んだのは、「午前中、やる気が出ず、ボーッとしてしまうようになったから」。とてもそうは見えないのですが……。
「朝起きて、以前ならすぐ家事や仕事のスイッチが入ったけど、年齢とともにエンジンのかかり具合が悪くなったことを実感。血流が悪く、気がめぐるまで時間のかかる感じがありましたね」
●肩やお腹、起き抜けの体を温める。レンチンで手軽。
やるぞという気力がわかない、始めても集中力が続かないという現象には血流が関わっていると感じた麻木さん、さっそく朝の温活をスタート。
「陰陽の考え方でいうと、朝は陰の時間(夜)から陽の時間(昼)にスイッチングするとき。そのときに勢いをつけることが大切です。例えば5〜10分、41〜42度の熱めのお湯で足湯をすると、ポンとスイッチが入りますよ」
●朝の足湯が体のスイッチを入れてくれる。
じっくり温めると副交感神経が優位になり、眠くなってしまうので、あくまで陰陽の切り替えをスムーズに、アクティブに動く準備として短時間で済ませるのが正解です。上手にエンジンがかかったら、朝食にも配慮を。
「コーヒーやヨーグルト、トーストなどは体を冷やすので避けましょう。せっかくめぐり始めた体に冷水をかけるような真似はしないこと。温かい汁ものなどがいいですね」
●炒め生姜を鍋にも汁ものにも。
人生の晩秋の体は、潤いを補いつつじわじわと温めるイメージで。
さらに美容の観点からいえば、だらだら汗をかくまで温めたり、激辛鍋を食べたりする過激な方法はもう卒業したいもの。
「更年期以降の体は、陽の気も足りないけれど、陰の気、つまり潤う力も足りません。水の少ない鍋を強火にかけるようなことをすると、その瞬間は温まっても、翌日くらいになると体がカラカラに乾いてしまいます」
「“干上がり”ってこわいですよ」、肌はカサカサ、便秘の原因にも。水分をとるのはもちろん、上で紹介したスンドゥブのように、生姜やキムチ、肉類など体を温める食材と、豆腐や野菜、魚介類など薬膳でいう「補陰(ほいん)」「滋陰(じいん)」の食材を必ず取り合わせること。
「これらは体に潤いを作る力を与えてくれる食材です。しっかり自分のお鍋の水をキープして、水の量に見合った火力にしていくことが大切。生野菜、生果物を食べたいなと思うときは午後にする。陽の時間が終わって、陰の時間にスイッチングする時間に食べるほうが自然の流れに沿っています」
食材だけでなく、一日の流れの中でも陰陽のバランスをとっていくのがきれいになる温活の秘訣のようです。
●自分でプロデュースした毛糸のパンツは、お腹を覆うスタイルがポイント。
●実家の母が親戚一同に配ったあったかソックス。
『クロワッサン』1106号より
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