発酵食の甘麹味噌を使った3種のなめ味噌レシピ。
撮影・黒川ひろみ 文・葛山あかね
万能調味料、甘麹の作り方
甘糀(濃縮甘酒)
【材料(作りやすい分量)】
米糀(生)…… 200g
炊いたご飯 …… 200g
水 …… 約400ml
※乾燥糀は糀と同量の水を加えて10分ほど置くと、生糀のようになります
【作り方】
1.糀を手のひらですり合わせるようにしてほぐす。
2.炊飯器の内釜に糀、60度以下に冷ましたご飯、水を入れる。
3.炊飯器の蓋を開けたまま、50〜60度の温度で6〜8時間保温する。
4.最初の1〜3時間は、1時間に1回かきまぜる。
※蓋を閉めると70度以上になり、麹菌が失活するので、必ず開けておきます。ほこりよけに布やザルを置いたりして工夫します。
※保存は冷蔵庫で1カ月。冷凍庫で6カ月を目安に使います。
※糀の種類により水分が異なるので、仕込み水は糀の高さと同じぐらいに加減します。
※ご飯をもち米に代えてもおいしく作れます。
【うまく作るコツ】
濃縮タイプの甘糀を作るときの水分量は難しい。乾燥糀は最初にしっかりと吸水させること(下記写真5)と、ご飯と糀を合わせたときの水分量はご飯と糀の高さよりやや低めにする(7)と成功しやすくなります。
保温して1時間後に一度かき混ぜますが、このときに水分量が少なく感じる場合は、水をひたひたまで足します。保温3時間までは、糀菌による糖化が始まらないので、これを繰り返します。
3時間以降は糖化が始まりジャムのような硬さになりますが、糖化が始まる前に水を足しすぎると、飲む甘酒のようになってしまい、濃縮タイプの甘糀にはなりません。保存期間も短くなります。
甘糀味噌
味噌に甘糀を混ぜるだけ。料理の調味料として使うもよし、そのまま田楽味噌や味噌煮込みうどん、味噌炒めなどにも。1つあれば多様にアレンジ可能な調味料。
【材料(作りやすい分量)】
甘糀 …… 400g
味噌 …… 200g
※味噌の塩分濃度が高いときは、甘糀や味噌の量を加減してください。
【作り方】
1.甘糀と味噌を混ぜる。
2.保存容器に入れて、冷蔵庫で1日熟成させる。
※日に日に熟成が進み、3カ月ほどもつ。
●なめ味噌3種
生姜とねぎの甘糀なめ味噌
【材料(作りやすい分量)】
生姜 …… 100g
ねぎ …… 20g
甘糀味噌 …… 200g
【作り方】
1.生姜とねぎはみじん切りにする。
2.フライパンに大さじ1の油(分量外)と1を入れ、しんなりするまで炒める。
3.2に甘糀味噌を入れ、水分を飛ばすようにしてヘラで混ぜながら煮詰める。
くるみの甘糀なめ味噌
【材料(作りやすい分量)】
くるみ …… 100g
甘糀味噌 …… 150g
【作り方】
1.くるみを粒が残る程度に刻む。
2.フライパンに1を入れ、焦げないように乾煎(からい)りする。
3.2に甘糀味噌を入れ、水分を飛ばすようにしてヘラで混ぜながら煮詰める。
ふきの甘糀なめ味噌
【材料(作りやすい分量)】
ふき …… 100g
甘糀味噌 …… 200g
砂糖 …… 小さじ1
【作り方】
1.ふきの下処理をする。ふきをフライパンのような広い鍋の長さに切る。まな板の上で塩大さじ1(分量外)を振りかけ板ずりをする。そのまま沸かした湯に入れ、3〜5分、ゆでて冷水につける。ふきの両側から筋を取る。
2.1のふきを細かく刻み、フライパンで大さじ1の油(分量外)と炒める。
3.2に甘糀味噌を入れ、水分を飛ばすようにしてヘラで混ぜながら煮詰める。最後に味見をして砂糖を好みで加える。
『Dr.クロワッサン 強い腸をつくる、発酵食の摂り方大百科。』(2021年2月18日発行)より。
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