「要」のポーズで人生のQOLを上げる【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
カラダの骨は、一つにつながっているもの? いいえ、違います。
上半身の骨・下半身の骨とをつなげているのが腰だったのです。
上半身の骨・下半身の骨とをつなげているのが腰だったのです。
撮影・森山祐子 構成&文・越川典子
〈要〉“女性の一生を支えるための筋肉のこと、忘れないで。”
仰向けになって腰を持ち上げるポーズ。簡単そうに見えて、写真の私、全身の筋肉を総動員しています。
腰は、まさにカラダの「要」。
カラダは上半身、下半身に分かれますが、上半身のいちばん下にあって、骨盤の中心に位置しているのが仙骨(せんこつ)。一方、下半身のいちばん上に位置するのが寛骨(かんこつ)。骨盤の左右の壁を形成している一対の骨です。
このジョイント部分が腰ですね。腰が自在に動かせれば、カラダ全体をコントロールできる。人間にとって大事ですが、こと女性には極めて重要な場所です。
理由は、骨盤底筋。これは骨盤の下方にある、ごく薄~い布のような筋肉なのですが、人生のQOL(生活の質)を大きく左右するからなのです。骨盤底筋が緩み始めるのが40代、尿漏れに悩む女性は増えていきます。量が増えれば外出もままならず、鬱々した気分で過ごすことになります。
この骨盤底筋、実は、鍛えるのが至難の業なのです。どこにあるのか自分ではわからない、力の入れ方もわからない。そこで関連している筋肉(多裂筋、横隔膜、腹横筋)を鍛えながら、インナーユニットとして連動する骨盤底筋も同時に鍛えてしまおうというポーズがワイドヒップリフトです。
いつでも、何度でも、何歳からでも。今日から実行してほしいと思います。
ワイドヒップリフト
仰向けになり、ひざを立て、足は骨盤よりやや広く置きます。手のひらを下に向けてかかとを近づけ、肩とひざが一直線になるように腰を上げます。深い呼吸で8秒キープ。両ひざを寄せるのがコツです。1日1回。
『クロワッサン』1093号より