目の疲れがあなたの思考力を低下させる。
明治国際医療大学教授の伊藤和憲さんに聞きました。
イラストレーション・小林マキ 構成&文・堀越和幸
【症状と原因】
目は強い光を長時間浴びると、瞳孔が開いて、交感神経優位の状態が続くことになる。
「交感神経優位の状態とはすなわち脳が興奮している状態なので、思考力の低下につながります。さらには、顔面や首の筋肉なども緊張状態にありますので、脳への血流を制限することも原因の一つとして挙げられるでしょう」
パソコンやスマホが手放せないという人は、ディスプレイの明るさにまず注意しよう。
「余分な光で目は疲れます。ブルーライトは波長が短いために画面のまぶしさやチラつきを招き、目のピントを合わせる機能に負荷をかけやすくなるといわれています」
眼精疲労を放置しておくと、倦怠感や不眠、自律神経失調症にもつながる可能性があるので気をつけたい。
〈目の疲れチェックリスト〉
□ 1日に5時間以上、パソコンやスマホと向き合っている
□ 夕方になると、遠くがぼやけて見える
□ まぶたが重い感じがする
□ 目が乾燥しがちで、目薬が手放せない
□ 屋外でまぶしいと感じる
□ 夜思うように眠れず、イライラする
□ 常に首や肩が凝っている
□ まぶたがよくけいれんする
□ 近視が進んだようだ
□ 目の奥が痛む、あるいは頭痛がする
当てはまる項目が7〜10個の人は早急な対応が必要。
眼精疲労の専門家を訪ねよう。2〜6個の人は早めケアで疲れ目を解消。0〜1個の人は今は大丈夫のよう。
【対策】
疲れた目はまず温めてみよう。
「簡単な方法としてはシャワーを浴びる時に目を閉じてまぶたの上から当ててみてください。レンジで温めた蒸しタオルを数分当てるのもいいでしょう」
目の周りのツボを刺激するのも有効だ。代表的なのは下イラストの3つ。
「攅竹、太陽、四白です。押し方は痛気持ちいいくらいに5秒押す。それを5〜10回ほど繰り返してみてください」
『クロワッサン』1099号より