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起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

朝ごはん、食べていますか? 歳を重ねれば重ねるほど、朝食は大切になってきます。
手軽に作れる朝食のほか、女性の体の悩みに応じたレシピを紹介します。

撮影・小川朋央 文・嶌 陽子 調理・下條絵美

その不調から体を守りたいなら。大人にこそ、朝食が重要でした。

「さまざまな不調を抱えがちな50代以上の女性にとって、まず大切なのは食事のリズムを整えること。朝昼晩と時間を決めて食事をとることが体にとって何より重要になってきます」

そう語る栄養学博士の蒲池桂子さん。特に重要だと強調するのが朝食。起きてからすぐに食事をとることが、体調管理のためには欠かせないという。

「食べると体が目覚めるうえ、寝ている間に下がった体温が再び上がり、血行もよくなります。すると午前中から体がスムーズに動くようになり、結果的に不調解消へとつながるのです」

早朝に起きても、家事や仕事をしたりして食事をとるのは数時間後、という人も。これでは体がなかなか目覚めず、血糖値のコントロールもしにくいといわれている。起床後すぐには食欲が湧かないという場合は、温かい牛乳や甘酒、お粥などから始めてもいい。何かを口にして体を温め、消化管を動かすことが大切だ。

「食事をとると消化に必要なエネルギーが使われます。その時に、熱が生まれて体が温まります。これを“食事誘発性熱産生”といいますが、そのエネルギーが一番高いのがたんぱく質。ですから朝食にはなるべく魚や肉、豆腐などを取り入れるといいでしょう。ただし、塩分のとりすぎには注意が必要です。午前中はナトリウムの代謝効率が悪く、血圧を上げる可能性があるのでなるべく薄味に」

頑張りすぎず、時には手を抜いたりすることも大切。

少しずつ体力も落ちてくるこの年代、食事作りを頑張りすぎないことも大切。できる時に作り置きしておく、手を抜きたい時は無理せずに抜く、時には人の手を借りるといった工夫を心がけたい。今回紹介するような、手間なく作れて栄養もしっかりとれる朝食レシピを知っておくと安心だ。

「朝食さえしっかりとっていれば、昼食が充分にとれない日があっても案外体調を整えられるもの。睡眠や運動といった生活習慣も見直しつつ、朝からしっかり食べて元気に過ごしましょう」

卵としらすの汁かけ飯

起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

たんぱく質と炭水化物で体を温めて。

朝起きてすぐ手間いらずで作れる一品。カルシウムもとれて、食べ応えも。鶏がらスープとしらすの塩味がきいていて、調味料の必要なし。前日の鍋の残り汁で作っても。

【材料(1人分)】
卵 1個
しらす 大さじ2
春菊 2〜3本
ご飯 120g
鶏がらスープの素 小さじ1
ごま油 少々

【作り方】
1.鍋に水1カップ、鶏がらスープの素を入れて火にかける。
2.沸騰したら溶いた卵を回し入れて細かく刻んだ春菊を加え、火を止める。
3.器にご飯を盛り、汁をかける。上にしらすをのせ、ごま油をたらす。

くずし豆腐ともずくのとろとろ汁

起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

ネバネバ食材が関節の不調に働きかける。

さっぱりしていながらも、もずくを麺のように食べられるので、一品で満腹感も得られる。ネバネバ系食材のほかに、豆腐でたんぱく質やビタミンB群もしっかりとれるメニュー。

【材料(2人分)】
豆腐 150g
もずく 60g
なめこ 60g
三つ葉 少々
だし汁 1と1/2カップ
醤油 小さじ1
塩 小さじ1/4

【作り方】
1.鍋にだし汁、醤油、塩を入れて火にかけ、煮立ったらもずく、なめこを加える。再び煮立ったら豆腐を手でくずし入れ、温まるまで煮る。
2.器に盛り、三つ葉をのせる。

かぼちゃの豆乳味噌スープ

起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

体調管理に必須の緑黄色野菜をスープで。

ビタミンやミネラルの宝庫である緑黄色野菜の代表、かぼちゃを使った一品。味噌のコクがきいたまろやかな風味を黒胡椒で引き締めて。豆乳の代わりに牛乳を使ってもいい。

【材料(2人分)】
かぼちゃ 200g
玉ねぎ 50g
ベーコン 1枚
オリーブオイル 小さじ1
味噌 大さじ1
豆乳(無調整)1カップ
黒胡椒 少々

【作り方】
1.かぼちゃはタネとワタを取って皮をむき、1cm幅に切る。耐熱皿に入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)に4分かける。
2.鍋にオリーブオイルを入れ、薄切りにした玉ねぎと1cm幅に切ったベーコンを炒める。水1/2カップを加え、玉ねぎが柔らかくなるまで2〜3分煮る。
3.味噌を入れて溶かし、軽く潰したかぼちゃと豆乳を加える。温まったら器に盛り、黒胡椒をふる。

鶏と山椒の塩麹そぼろ

起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

【材料(作りやすい分量)】
鶏ひき肉 300g
長ねぎ 1本
塩麹 大さじ2
酒 大さじ1
粉山椒 小さじ1/2

【作り方】
1.耐熱ボウルに鶏ひき肉とみじん切りにした長ねぎ、塩麹、酒、水50mlを入れてよく混ぜ、ふんわりラップをかけて電子レンジ(600W)に5分かける。
2.一度取り出して、スプーンでほぐし混ぜ、さらに3分かける。
3.粉山椒を加え混ぜ、粗熱を取って保存容器に入れる。

冷蔵庫で約3日間保存可能。ご飯や豆腐にかけたり、パンにのせてチーズをかけて焼いても。

 ↓

鶏と山椒の塩麹そぼろご飯

起きてすぐに食べる。その習慣が50代以上の女性たちの健康を支えます。

作り置きで、いつでも簡単朝ごはん。

たんぱく質をしっかりとれる一品を作り置きしておくと、料理が面倒な朝にも便利。しっとりとした鶏そぼろと卵黄がご飯によく合う。山椒のピリリとした風味が食欲を高めてくれる。

【材料(1人分)】
ご飯 120g
卵黄 1個分
鶏と山椒の塩麹そぼろ 大さじ3
粉山椒 適宜

【作り方】
器にご飯を盛り、鶏と山椒の塩麹そぼろをかけ、卵黄をのせる。好みで粉山椒をかけてもいい。

  • 蒲池桂子

    蒲池桂子 さん (かまち・けいこ)

    女子栄養大学 栄養クリニック教授

    栄養学博士、管理栄養士、病態栄養専門管理栄養士。栄養と健康に関する講習会やダイエットの指導、生活習慣病対策の相談などを行う。

『クロワッサン』1086号より

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