オーガズムを感じない【「更年期世代の性」よろず相談室】
そんな読者の悩みを通して、ときには真面目に、そして赤裸々に、これからの「性」との向き合い方について考えてみよう。
回答してくれたのは、産婦人科医の宋美玄さん、漫画家の槇村さとるさんです。
イラストレーション・山口正児 構成&文・オカモトノブコ
(お悩み)オーガズムについて
膣でイクというのがどんな感じか、いまだによく分かりません。ムードを壊すのも面倒で、つい気持ちのいいフリをしてしまいますが、女として、一度は経験してみたいというのが正直なところです。(兵庫県 自営業 52歳)
宋さん 膣内でオーガズムに達する器官は、子宮頸部と、膣口との間にあるGスポットと呼ばれる部分。統計的にみても膣でイケる女性は少ないのですが、陰核(クリトリス)で感じることができれば、同時にGスポットを刺激してオーガズムに導くことが可能です。簡単に試せるのが、ひとりでするとき。陰核を刺激してイク直前に膣内へ中指を挿入し、第一関節を軽く曲げたあたりにあるGスポットに指の腹を優しく押し当てると、強烈なオーガズムが得られます。こうした仕組みを、パートナーとの行為にも応用してみましょう。
槇村さん まず必要なのは、感じるフリをやめること。AVの影響が大きい男性側ももちろんですが、「こうでなきゃ」という思い込みのタガをはずして、お互いのありのままをさらけ出すことです。それはきっと、相手にとってもうれしいことのはず。性器には快感を得る仕組みがきちんと備わっているので、お互いを信頼して、心も体も行為に没入することが大切だと思います。
感じる「演技」をしたことはありますか?
演技をする理由は「相手に喜んでもらうため」「早く終わらせたい」「雰囲気づくり」の3つに集約される。中には仕方なく演技をすることが、セックス嫌いの原因になっているケースも。
セックスで感じることはありますか?
感じる部位についての質問に対しては、「陰核部」が6割なのに対し、「膣」で感じる人は2割弱という結果に。「感じたことがない」という人も、全体の3.5割にのぼった。
『クロワッサン』1070号より