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硫化アリルで血液サラサラ、たまねぎの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

野菜ごとの栄養素の特徴や効率のいい食べ方を知り、よりよい野菜生活で若さと健康を保ちましょう。

野菜指導/名取貴光 料理・栄養指導/岩﨑啓子 撮影/黒川ひとみ 文/韮澤恵理

【硫化アリル】が【血管】、【血圧】、【代謝】の改善に大活躍。

【栄養豊富な旬の時期】10〜12月
一般的なたまねぎは春蒔き種を冬に収穫。秋蒔きを春先に収穫するのが新たまねぎ。

【体に効く選び方】先がしっかりとしている
先の部分から傷みやすいので、固く締まっているか確認。皮は乾燥してつやがあるものがいい。持ってみてしっかり重みがあるかも重要なポイント。

【体に効く食べ方】さらさず生が一番
血液サラサラ効果をもたらす硫化アリルは水に溶けやすく、熱にも弱い。一番体に効くのは生をさらさずに食べる方法。切ったあと、少し放置すると刺激が弱まる。

【栄養を守る保存方法】通気をよくして保存
ネットやかごに入れて暗い場所におくのがベスト。湿気に弱いので野菜室に入れるならポリ袋に入れずにそのままで。

【重さの目安 1個約200g】 [注目成分] 硫化アリル ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC カ…

【重さの目安 1個約200g】

[注目成分]
硫化アリル
ビタミンB1
ビタミンB2
ビタミンC
カルシウム
カリウム

[エネルギー]
35kcal/100g

[食物繊維]
1.5g/100g

(Topics 1)紫たまねぎやペコロスなど、多くの仲間が……

たまねぎは種類が多い。サラダなどの彩りになる紫たまねぎの色素はアントシアニンというポリフェノールで、抗酸化効果がプラスに。酸性になると鮮やかなピンク色に変わるので、酢やレモン汁と合わせるとより美しい色合いに。色の変化で栄養価は変わらない。小たまねぎと呼ばれるペコロスは加熱調理向き。

硫化アリルで血液サラサラ、たまねぎの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

(Topics 2)いろいろなアレンジで健康食材に!

酢たまねぎ、たまねぎドレッシングなど、健康レシピが多い。酢には血圧や血糖値を上げにくくしたり、血中脂質を減らす効果があるので、酢と組み合わせるのはおすすめ。

血液サラサラ効果は、刺激成分硫化アリルに。

たまねぎに含まれる硫化アリルは、血栓ができるのを防ぎ、血液をサラサラにすると注目されています。生を切ったときの刺激成分で、辛味や、目にしみるのはこの成分によるもの。たまねぎだけでなく、長ねぎや小ねぎなどのねぎの仲間にも含まれています。

糖をエネルギーに変える際に必要なビタミン B1の働きを助け、疲労回復やスタミナアップの力を発揮します。抗菌作用もあるので食中毒防止や、風邪予防の特効食材としても親しまれています。

揮発性で水にも溶けやすいので、できるだけ細かく切り、すぐに食べるのが最も有効ですが、辛味で食べにくい場合は、切ったあと少し空気にさらすといいでしょう。成分が揮発してとぶので、水にさらさなくても食べやすくなります。切ってすぐに油に漬けてもよく、すりおろしてドレッシングやたれにするのもおすすめです。

たまねぎのもう一つの健康成分が抗酸化力の高いケルセチンですが、ほとんどが皮に含まれます。

血液や血管のためには生でおいしく食べたい。

生のたまねぎに含まれる硫化アリル。さらすと失われる栄養をしっかり摂るには辛味とうまく付き合うのがポイント。まぐろ以外にもいろいろな刺し身や、肉類ともアレンジ可能。作りおきたまねぎだれは日々のおかずに香りと栄養をダブルでプラスできます。

まぐろの刺し身の山盛りたまねぎ

硫化アリルで血液サラサラ、たまねぎの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

【材料(2人分)】
まぐろ …… 1さく(150g)
たまねぎ …… 1個
ブロッコリースプラウト …… 1/2パック
胡椒 …… 少々
A  ポン酢醤油 …… 大さじ1と1/2
  オリーブ油 …… 小さじ2
  胡椒 …… 少々

【作り方】
1.
まぐろは薄切りにして器に盛り、胡椒を振る。
2.たまねぎはごく薄切りにして少しおき、スプラウトを混ぜてまぐろにのせ、Aをよく混ぜてかける。

たまねぎレモンオイルだれ

日持ち 冷蔵室で4〜5日
日持ち 冷蔵室で4〜5日
硫化アリルで血液サラサラ、たまねぎの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。
日持ち 冷蔵室で4〜5日
硫化アリルで血液サラサラ、たまねぎの体に効かせる食べ方、選び方、調理のコツ。

\有効成分を閉じ込め、薬味がわりになる!/

【材料(作りやすい量)】
たまねぎ …… 1個
A  塩 …… 小さじ1/2
  胡椒 …… 少々
  レモン汁 …… 大さじ1と1/2
  オリーブ油 …… 小さじ2
  はちみつ …… 小さじ1

【作り方】
たまねぎは8mm角くらいの粗みじんに切り、よく混ぜたAを加えてなじませる。
※たっぷり作って冷蔵室で保存し、薬味がわりにするといい。

  • 名取貴光

    名取貴光 さん

    食品成分研究者 医科学博士

    山梨学院大学健康栄養学部教授、副学部長。山梨大学大学院医学工学総合教育部人間環境医工学専攻博士課程修了後、名古屋大学大学院医学系研究科研究員を経て現職。専門は食品科学、神経科学。日本農芸化学会、日本生化学会などに所属し、生体や食品を構成している成分が体の中でどのような働きをしているか、脳神経系統を中心に研究を続けている。

  • 岩﨑啓子

    岩﨑啓子 さん

    管理栄養士 料理家

    聖徳栄養短期大学を卒業後、同大学研究室助手、料理研究家のアシスタント、保健所での栄養指導などを経て、料理研究家として独立。書籍や雑誌、メニュー開発などで活躍。栄養バランスを考えた、やさしく飽きのこない味で、簡単に作れる毎日の家庭料理を多数提案している。数十冊の料理書をはじめ、ダイエットや食事療法の頼れる著書も多数。

    ※プロフィールは雑誌掲載時の情報です。

『Dr.クロワッサン 体に効かせる野菜の食べ方』(2020年9月28日発行)より。

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