眠りの持つ美肌効果を最大限に引き出すには、睡眠の長さだけでなく、その質がより重要に。ところが「睡眠の質は10代をピークに下がる一方」なのだと、睡眠研究家として〝ムアツ スリープ ラボ〟でカウンセリングを行う西川ユカコさんは言う。
「良質な睡眠に欠かせない睡眠ホルモン、メラトニンの分泌量は10代がピーク。特に35歳を超えると、睡眠の質がガクンと低下するといわれています。一方、中年以降でも、努力次第でメラトニンの分泌量を20代レベルに高めることができたという研究結果も。睡眠の質は、努力次第で改善できるのです」
そのためには、夜だけでなく昼間の過ごし方にも工夫が必要になってくる。
「日中はUVカットを塗ったうえで窓辺で過ごしたり、リフレッシュついでにハミングなどのリズミカルな運動をして、メラトニンの材料となるセロトニンの分泌を積極的に促しましょう」
そして夕方以降は、眠りに向けて体と環境を整えるようにしたい。
「人間は深部体温が下がると眠くなります。夜は38〜40度の湯に15分ほど浸かって深部体温の落差を作ったり、食事や飲酒を寝る3時間前までに終え、就寝時は体温を下げるよう心がけて。
睡眠環境については寝室の温度湿度、寝具選びが大切。温度は自分が快適だと思う程度、湿度は通年50〜60%に保つこと。マットレスや枕は、体のどこか1カ所に体重がかからないよう正しい姿勢で横になれるか、楽に寝返りを打てるかが重要です。
寝ている間に腰に負荷がかかれば腰痛になるし、寝返りが打てなければ眠りが浅くなったり、翌朝体が凝ったりしてしまいます」
好みの香りのミストやヒーリングミュージックも、心を落ち着けて睡眠の質を高めるのに効果的。最近は機能的な寝具や快眠グッズが続々登場しているので、取り入れてみては。