からだ

膝痛にアプローチするマッサージとツボ刺激。

急な痛みやコリ、いまなんとかしたい。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
  • 撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓

【膝痛】

膝関節の動きが腰の動きにも影響するという「運動連鎖」、筋膜同士が連結している「筋膜連結」で、腰と膝の不調は密に関係している。腰痛に陥っている人は膝のケアも同時に行いたい。

膝痛へのアプローチ(1)膝のまわり4点を押す。

膝のお皿のまわりには4つのツボがある。外側の上下には「梁丘(りょうきゅう)」と「外膝眼(がいしつがん)」、内側の上下には「血海(けっかい)」と「内膝眼」。外側は胃、内側は婦人科系や消化器全般の機能に関わっている。

内臓の不調があれば、膝周辺の緊張やこり、膝まわりの筋力低下にも繋がってくるので、しっかりと刺激しておきたい。ツボ周辺にこりがある場合は指を左右に細かく動かしてほぐす。

膝のお皿の内側、指2本分上を左右の親指がV字になるように当て、圧をかける。

次にお皿の外側の指2本上→お皿の下の外側のくぼみ→内側のくぼみを押す。逆脚も。

【ターゲット】

膝のお皿のまわりにある4つのツボをひとつずつ順番に刺激。

(手の形)

4本指で膝裏を支え、親指をVの字にしてツボに当て、圧をかける。

膝痛へのアプローチ(2)膝の裏を押す。

膝の裏には、膝の痛みにも腰痛にもどちらにも使える「委中(いちゅう)」というツボがある。膝まわりに炎症が生じているときにも使えるので、覚えておくと便利。場所は膝裏にある横ジワのほぼ中央。

今回はわかりやすいよう、立った姿勢のままツボに圧をかけているが、実際に行うときは椅子に座って行うのがおすすめ。体調によってツボは移動するので、指の刺激で反応する場所を探すこと。

左右の手で膝をつかみ、主に中指を委中に当てて圧をかける。

(手の形)

親指は膝の上にひっかけ、4本指で膝の裏をつかむ。

膝痛へのアプローチ(3)太腿の前面をマッサージ

膝痛を直接的に引き起こす主な原因は、太もも前の筋肉の緊張や筋力の低下。太ももが緊張すると骨盤が前に引っ張られて腰に負担がかかる。また逆に、太ももの筋肉が本来の力を発揮できないことで腰が不安定になり、膝への負担が増すことも。密接に関わっている腰と膝、どちらの不調を軽減するためにもマッサージを。

椅子に座り、太ももの外側に同じ側の手を当てる。
 ↓

腕に体重をかけ膝方向にずらしつつ太ももに圧をかけていく。逆も。

(手の形)

親指を4本指に添わせ、手のひらの根元全体で圧をかける。

石垣英俊

教えてくれたのは

石垣英俊 さん (いしがき・ひでとし)

鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師

静岡県出身。臨床家の父親に鍼灸治療を師事。体の痛みや不調に悩んでいる人へ、よりよい施術、環境、アドバイスを提供すべく研鑽を積んでいる。神楽坂ホリスティック・クーラ(R)代表。著書多数。

『Dr.クロワッサン 痛みとコリをすっと消す、自分でできる整体』(2020年4月28日発行)より。

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