からだ

マッサージやツボ刺激で肩こりを解消。

急な痛みやコリ、いまなんとかしたい。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
  • 撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓

【肩こり】

呼吸、内臓、筋肉、3方向のケアで改善。

背骨のなかでも頚椎の老化によって生じる代表的な症状が肩こり。とくに、スマートフォンやパソコンに向き合い、うつむき姿勢をとることが多い現代人は、頚椎の老化を自ら促しているようなもの。肩こりはもう当たり前の不調といってもいい。

肩こりを引き起こす直接の原因のひとつは頭の位置。うつむいて頭だけが前に出る悪い姿勢を続けていると、それをカバーしようとまわりの筋肉が頑張りすぎてしまう。首から肩、背中を広く覆っている僧帽筋がそのひとつ。

頚椎は本来なら、背骨のS字の上部に当たる前弯カーブを描いている。頭が前に出るとそのカーブが失われるので、僧帽筋が頭を固定するために常に過剰に緊張した状態に。こうなると、血液の流れや代謝が滞り、肩こりの症状が引き起こされてしまう。

また、精神的なストレスで呼吸が浅くなり、胸郭が広がらずに胸の前が縮こまってしまうことでも、肩甲骨をはじめとする肩周辺の筋肉が緊張する。呼吸が浅いときは十中八九、巻き肩姿勢。やはり肩甲骨が常に引っ張られて緊張状態を強いられるのだ。

さらに、ストレスで胃腸の働きが低下すると、やはり不良姿勢になりがち。お腹の具合が悪いときに胸を張った正しい姿勢は維持できない。無意識に猫背姿勢になっているはず。

このように、肩こりはさまざまな原因が複雑に絡み合って生じているので、定期的にマッサージに通っていても解消しにくい。そこで、呼吸、内臓、筋肉の緊張改善という3方向からアプローチ。

肩こりへのアプローチ(1)鎖骨の下をほぐす。

まずは呼吸の改善から。ストレスによって呼吸が浅くなると、鎖骨の下にある大小の筋肉群が緊張し、肩が前に引っ張られる。すると巻き肩姿勢になり、ますます呼吸が浅くなってしまう。

鎖骨の下の筋肉をほぐすことで巻き肩を改善し、胸が開いた正しい姿勢に誘導。同時に、この部分は呼吸を改善する「中府(ちゅうふ)」というツボでもある。滞った気を流し、深い呼吸を得る効果も期待できる。

右手の指先を鎖骨の下と肩の骨の間にあるくぼみに当てる。
 ↓

指で圧をかけながら、上下、左右、斜め方向に押す。硬い部分があれば集中的に。逆も。

【ターゲット】

鎖骨と肋骨、肩の骨の間にあるくぼみを探す。左右ともに刺激を。

(ここで押す)

手の人差し指、中指、薬指の3本指の腹を使ってターゲットを押す。

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