DHA&EPAたっぷりのさんまはオイル煮に。脳、血管、骨まで元気!【クロワッサンライターの身になる話】
文・韮澤恵理
DHA、EPAたっぷり。青背魚は脂をなるべく落とさない!
9月に入ると本格的にさんまの季節がやってきます。脂ののったさんまの塩焼きはたまりませんね。おいしいだけでなく、さんまは健康面でも注目の魚。したたる脂はDHAやEPAといったオメガ3系の脂肪酸の宝庫なんです。
どちらも血液の質を改善し、特にDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳の働きをよくすることで知られ、EPA(イコサペンタエン酸)は血管の健康を守る効果が高いことがわかっています。
2つは健康を守るために欠かせない必須脂肪酸で、体内ではつくれないため、食事から摂ることが大事な栄養素です。
青背魚に多く含まれ、その代表選手がさんま。他には、さば、まぐろ、あじ、いわし、ぶりなどからも摂ることができます。魚別に含有量を見てください。
脂肪酸なので、脂ののった部位に多く、旬を迎えるとその量がぐんとアップすることもわかっています。中でも、さんまはEPAとDHAがともに多いのが特徴。秋の味覚は私達の舌を楽しませてくれるだけでなく、健康にも役立つすばらしい恵みです。
有効な脂質を余さず食べられるオイル煮に注目!
EPAやDHAは熱に弱く、生で食べるのがいちばんと言われています。加熱調理をすると、脂が落ち、さらに熱で脂肪酸が破壊されてしまうからです。とはいっても、青魚の刺し身ばかりでは飽きてしまいますね。
目先を変えて、いろいろな調理法で食べるのがいちばん。塩焼きは定番ですが、意外におすすめなのが低めの温度でじっくりと煮込んだオイル煮です。
オイルと一緒に食べるのがポイント。できたては熱々をオイルまで楽しみ、残りは作りおきとして保存しておきましょう。パスタやサラダに活用すれば、大切な成分が溶け出した油ごとムダなく摂れて、しかも食卓に変化がつけられます。
オイルごと保存容器に入れ、冷蔵庫で保存すれば1週間は十分日持ちするので、作りおきとしてもお役立ちです。
さんまのオイル煮、基本の作り方
材料
さんま……4尾
サラダ油……200〜300ml
オリーブ油……200ml
にんにく……4片
赤唐辛子……4本
ローズマリー(あれば)……1本
作り方
1、さんまは頭と尾を切り落とし、わたを取り除いてきれいに洗い、4等分に切る。
2、水気を拭いて両面に塩をふり、5〜10分おいて余分な水分を取る。
3、にんにくは皮をむいて横半分に切り、赤唐辛子はそのままか、好みで小口切りにする(切ったほうが辛く仕上がる)。
4、さんまから出た水分をキッチンペーパーなどでていねいに拭き、鍋に入れ、オイルを注いで3を入れ、弱火にかけ、10分ほどふつふつと煮る(さんまがオイルに浸っていることがポイント。鍋のサイズに合わせてオイルの量は調整して)。
5、一度火を止めて冷まし、余熱でゆっくりと火を通す。
6、再びごく弱火にかけて10〜20分加熱し、そのまま冷ます。
にんにくの香りと唐辛子の辛味が絶妙な一品は、マッシュルームやミニトマトを加えてアヒージョのように食べてもおいしい。さんまの塩気で十分なので、醤油をかける塩焼きよりも減塩になるのもうれしいですね。
さんまはわたごと使ってもいいのですが、取り除くほうが苦味や臭みが抑えられます。揚げるのではなく、低い温度で煮るように加熱することで、骨までやわらかく仕上がります。
熱いうちに清潔な耐熱瓶に詰め、ふたをして密閉すれば保存食としても応用できます。
骨ごと食べれば骨粗鬆症や高血圧にも効果あり
脳にまで届いて細胞を活性化するDHA、血管を守り、恐ろしい動脈硬化を防ぐEPAに加え、骨ごと食べられるので、カルシウムの補給にも一役。骨粗鬆症の予防はもちろん、あまり知られていませんが、カルシウムは高血圧の改善にも役立つ成分です。
にんにくには疲労回復効果が、唐辛子には血行をよくする働きまであるので夏の疲れにもいいはず。
脳、血管、骨……。年齢を重ねると心配になってくる代表的なトラブル。おいしいさんまが役に立つこと、秋になったらちょっと思い出してください。ちなみに脂ののったおいしいさんまは、口先が黄色くて、頭から背中がもっこりした太マッチョのほうですよ。
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