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鮮やかな色合いで夏を彩る赤じその健康効果【クロワッサンライターの身になる話】

クロワッサンのライターがお役立ち情報を発信する連載【身になる話】。執筆した医療・健康本は100冊を超える医療ライターが赤じその健康効果を解説します。

文・韮澤恵理

赤じそと青じそはどう違う?

鮮やかな色合いで夏を彩る赤じその健康効果【クロワッサンライターの身になる話】

6〜7月に極短期間出回る赤じそは、香味野菜として日頃からおなじみの青じそと同じしその仲間。漢字で「紫蘇」とかくように、赤い物が原種に近く、栽培されるうちに緑のものがよく使われるようになったのだそう。

特有の爽やかな香りはペリルアルデヒドという成分によるもので、しその精油成分の50%を占めます。強い抗菌作用、防腐効果をもっていて、刺し身のつまとして利用したり、漬け物に加えるのは食中毒を防ぐ先人の知恵なのですね。

また、この香りには消化酵素の分泌を促す働きもあるため、消化を助け、食欲を増進して胃の調子を整える効果も。

赤じその真っ赤な色の正体はアントシアニンという色素成分で、活性酸素を減らす働きがあるため、老化防止や免疫力アップも期待できる青じそ以上に優秀な香味野菜と言えそうです。

赤じそで作るジュースや赤梅酢で健康維持

青じそは生で薬味にしたり、漬け物などに使いますが、シロップにすると青くさいのが難点。その点、赤じそは香りがよくて赤色が美しくシロップにぴったり。色素成分は水に溶け出すのでギュッと絞り、酢を加えることで濃い紫色がぱっと鮮やかなピンクに染まるのも楽しい保存食です。

さらに、この赤じその成分と酢酸との出会いは、疲労回復に役立ち、胃腸の調子を整える働きも持つので一石二鳥。爽やかな香りは夏の暑さに一服の清涼感を運んでくれます。赤じその成分はアレルギー対策や老化防止に役立つと言われているので、清涼飲料水代わりにするのもいいですね。ここでは酢を使った作り方を紹介します。クエン酸を使ってもいいのですが、身近な酢で簡単に作れます。

赤じそシロップ
材料(作りやすい分量)
赤じそ……1束(正味300gくらい)
砂糖……300〜500g
酢……200ml

作り方
1.しそは葉だけ摘み取ってよく洗ってしっかり水気をきる。

鮮やかな色合いで夏を彩る赤じその健康効果【クロワッサンライターの身になる話】
洗った葉はサラダスピナーで水気を切るといい。
洗った葉はサラダスピナーで水気を切るといい。

2.琺瑯製など酸に強い鍋に水1.5ℓを入れて火にかけ、沸騰したら葉を入れて5〜10分煮出す。

アルミや鉄の鍋は酸に弱いので、琺瑯鍋がおすすめ
アルミや鉄の鍋は酸に弱いので、琺瑯鍋がおすすめ

3.砂糖を加えて煮溶かし、砂糖が溶けたら酢を加えてひと煮立ちさせる。酢を加えるとパッと鮮やかな色に変わる。

4.さらし布や丈夫なキッチンペーパーでしっかりこして絞り、熱湯消毒した保存瓶に移し、蓋をして冷蔵庫で保存。このままで6カ月くらい保存可能。長く保存するなら煮沸消毒して脱気処理をすると安心。
★脱気処理=熱湯消毒した耐熱の保存瓶にシロップを入れ、瓶ごと鍋に立てて少し加熱し、中身が熱いうちに密封すること。ジャムなども同様。

鮮やかな色合いで夏を彩る赤じその健康効果【クロワッサンライターの身になる話】

飲み方
グラスに入れ、炭酸水や水で割ると爽やか。塩ほんのひとつまみを加えると、汗をかいた屋外作業の後などに疲れが吹き飛ぶおいしさです。

夏のおかずに添えれば、保存性と疲労回復効果あり

おなじみの赤じそ漬けも酸味と塩気がいい塩梅で、夏の食卓を支えてくれます。梅干しを漬けたなら、梅干し漬けの副産物である白梅酢で本格的に作ってみましょう。梅干しはちょっとハードルが高くて……という人も、酢を使えば赤じそ漬けは作れます。そのままおにぎりを包んだり、乾燥させてゆかりにしたりと楽しみ方もいろいろです。おすすめは、なすやきゅうり、みょうがなどの夏の野菜を塩もみにして、赤じそ漬けと漬け汁を加えて作る「即席柴漬け」香りも色も素晴らしくて、御飯の友にも最高です。

赤じそ漬けの材料(作りやすい分量)

赤じそ……1束(正味300g)
塩……大さじ3
白梅酢(または酢)……100㎖
★梅干しを漬けた人は塩漬けで出てきた水分(白梅酢)を使うと梅の香りも楽しめる。なければ米酢、穀物酢で大丈夫。

作り方
1.しそは葉だけ摘み取ってよく洗い水気をきる。

2.ボウルに1を入れ、半量の塩を振ってしばらくおき、全体を手で押すようにして力強くもむ。

2.ボウルに1を入れ、半量の塩を振ってしばらくおき、全体を手で押すようにして力強くもむ。

3.黒く泡立ったアクが出てきたら、葉をギュッと手でつかんでもみ、硬く絞ってアクを捨てる。

3.黒く泡立ったアクが出てきたら、葉をギュッと手でつかんでもみ、硬く絞ってアクを捨てる。

力を入れてしっかり揉むことでアクをとるのがポイント。
力を入れてしっかり揉むことでアクをとるのがポイント。

4.ボウルをきれいに洗って水気を拭き、3を戻して残りの塩を振り、再びもんで絞る。

5.清潔な保存容器に4を入れ、白梅酢か酢を注ぐとパッと鮮やかな赤色に。葉をさばき、蓋をしてなじませる。

★赤い梅干しを漬けたい場合は、この状態で梅の土用干しが済むまで待つ。赤じそ漬けとして利用するなら、2…

★赤い梅干しを漬けたい場合は、この状態で梅の土用干しが済むまで待つ。赤じそ漬けとして利用するなら、2〜3日後から使い始められる。絞った葉を皿に広げて乾燥させ、ゆかりにしてもいい。

なすの塩漬けにみょうがを加えて赤梅酢であえると柴漬け風に。
なすの塩漬けにみょうがを加えて赤梅酢であえると柴漬け風に。

少量づつ香りと色を楽しんで

鮮やかな色合いで夏を彩る赤じその健康効果【クロワッサンライターの身になる話】

色素も香りも健康に役立つ赤じその保存食ですが、ジュースにしても漬け物としてアレンジしても、1度に摂れる量はわずかです。「健康食」として大量に食べるものではありませんから、季節を楽しむ保存食として、夏の暮らしを彩ることを楽しんでください。ジュースは熱いうちに清潔な保存瓶に入れて冷暗所で保存すれば1年位は日持ちします。漬け物も、しっかり昔ながらの塩分量で漬ければ1年は楽しめますよ。華やかな赤い葉を見かけたら、是非チャレンジしてみてください。

  • クロワッサン医療ライター

    韮澤恵理 (にらさわえり)

    健康と食のエディター、ライター。出版社勤務後に独立してフリーに。ダイエット、健康法、エクササイズ、料理などの実用書籍やムックを編集制作している。生活周りの情報収集が趣味。

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