からだ

更年期かどうか、相談できる場所を教えてください。【88歳の現役婦人科医師 Dr.野末の女性ホルモン講座】

産婦人科医師の野末悦子さんに教わります。
  • 撮影・岩本慶三 イラストレーション・小迎裕美子 構成・越川典子

Q. 更年期かどうか、相談できる場所を教えてください。

ここのところ、気分が悪くなったり、くらっとしたり、今までと違う体調の変化があってとまどっています。家庭用の血圧計で測ったら上が160台、下が90台と高く、内科にかかり、降圧剤を処方されました。もしかしたら更年期も関係しているかもと思いましたが、医師に相談していません。この症状が生活習慣病なのか更年期障害なのか、電話などで相談できる場所があれば教えてほしいのですが。(H・Dさん 49歳 パート勤務)

A.電話相談できます。 カラダのことを学ぶのもいい方法です。

更年期にあらわれる症状は、一人ひとり違うため、とかく不安になりがちです。ちょうど生活習慣病の心配も出てくるタイミングでもあります。そんな変化の兆しを感じ、女性である自分のカラダについて情報収集することは、とても意味があります。もし何ごとか起きたとしても、冷静に受け止められるからです。

まず、自分でできることとしては、基礎体温や睡眠の状態、月経の量や間隔などの記録を毎日つけると、心身の変化に気づけます。受診する際には、医師とのコミュニケーションにも役立つので好都合ですね。

また、同年代あるいは先輩女性の体験を聞くことは、とても助けになります。海外では、更年期女性が集まり、情報交換したり、体験を語り合ったりする自助グループは当たり前です。日本でも、積極的に語り合って理解を深めたり、学んだりする場を作っている団体があります。

いま、コロナ禍で集まることが容易ではありませんが、電話で更年期に関する相談をするのもいいでしょう。女性の健康とメノポーズ協会は、相談業務はもう25年以上の実績があるので、利用してみてはいかがでしょうか(下参照)。

更年期について学んだり、相談したりできる機関

【NPO法人 女性の健康とメノポーズ協会】

女性の生涯を通した健康づくりとワーク・ライフ・バランスの実現を目指して発足した協会。

●電話相談 専用電話 TEL.03-3351-8001(毎週火・木曜11〜16時)協会認定の「女性の健康相談対話士」が対応。
●毎年「女性の健康検定(R)」試験を行い、「女性の健康推進員」、または「女性の健康経営(マネジメント)アドバイザー」の資格を取得できる。また、会員対象の「メノポーズカフェ」やセミナー、講座も定期的に開催されている。
http://meno-sg.net/

【NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア】

医師、コメディカル、更年期に関心のあるすべての人に、更年期およびポスト更年期に関する正確な知識の普及を目指す。

●一定の認定得点を取得後に受験資格が与えられ、合格すれば「メノポーズカウンセラー」の資格が取得できる。毎年、日本更年期と加齢のヘルスケア学会学術集会を開催。2021年度は10月31日開催予定。
http://www.menopause-aging.org/  事務局 TEL.03-6380-1925

【NPO法人 女性医療ネットワーク】

女性の健康な一生をサポートする「女性の視点を生かした女性医療」を目指す。

●女性健康学校「ジョイ・ラボ」の全講座31回を受講すると、「女性の健康総合アドバイザー」の資格が取得できる。
http://cnet.gr.jp/

更年期で心がけるべきは、何より不調をそのままにしないこと。いま感じている不調を放っておいて、重症にしないことです。ムリを重ねず、助けを求めるべきところに求める知恵をもってください。

もしH・Dさんに更年期障害の治療が必要になった場合でも、治療の意味や薬剤の効能を知っているかどうか、納得して治療を受けているかどうかで、その効果は確実に変わるはずです。

※症状や治療法には個人差があります。必ず専門医にご相談ください。

更年期に関する知識は、転ばぬ先の杖。(Dr.野末)

野末悦子

野末悦子 さん (のずえ・えつこ)

産婦人科医師

横浜市立大学医学部卒業。川崎協同病院副院長、コスモス女性クリニック院長、久地診療所初代所長、介護老人保健施設「樹の丘」施設長などを歴任。

『クロワッサン』1040号より

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