頭痛、肩こりの原因にもなる疲れ目のツボ押し解消法。
疲れたと感じた時に早めにセルフケアをすればすっきり。内科医、漢方医の工藤孝文さんに教わります。
撮影・岩本慶三 モデル・くらさわかずえ スタイリング・高島聖子 ヘアメイク・村田真弓 文・韮澤恵理 イラストレーション・松元まり子
その目の疲れをほうっておいてはダメ。
目の奥がじんじんする、目が充血する、乾く……そんな目の疲れが増えています。スマホをひんぱんに見る、仕事はパソコン、細かい文字を読んだり、ついテレビを見る時間が長くなったりする現代のブルーライト生活のせいです。
ブルーライトは青や紫などの波長の短い光で、網膜を疲れさせる作用があります。光源が目に近いと、ダメージの量が増加するので、スマホのように至近距離から出る光は群を抜いて目を疲れさせます。
画面を見ていると、まばたきの回数が減りがちです。そのために目が乾燥してゴロゴロしたり、角膜に細かい傷がついたりもします。
近くを見続けると、視力を調整する小さな筋肉が緊張を続け、元に戻れなくなり、ぼやけたり、遠くが見えなくなったりすることも。
眼精疲労に効く目薬やアイマスクもありますが、効果は一時的なもの。目の疲労は放っておくと、全身の不調につながるので、早めに解消するのがポイントです。
目の疲れに効くのはツボ押しと温め。
基本は、目に負担のかかるスマホの使いすぎやパソコン操作をできるだけ短時間にすること。1時間に1度は休息をとり、目を閉じたり、遠くを見たりしましょう。
さらに、目のツボは顔に集中しているので、疲れたと感じたら手軽に自分でツボ刺激をするのもおすすめです。
ツボは、だいたいの位置がわかったら、指の腹でそっと押してみて少しずつずらし、気持ちがいいところを探せばいいのでむずかしく考える必要はありません。
もう1つ効果的なのはホットタオルで温める方法。目を閉じて温かいタオルを当てると、目の周囲の筋肉がほぐれ、視力調整筋や毛細血管の血流がよくなり、目の前が明るくなるはずです。「冷やすより温める」と覚えておきましょう。
ホットタオルで首の後ろを温めると、血流が改善し、頭を支える首の筋肉もゆるんですっきりするので、こちらも試してください。
頭痛、肩こりの原因にもなる疲れ目の解消法。
疲れ目に効く顔のツボと、目の温め方を紹介します。ツボは気持ちがいいと感じるところを左右同時にそっと押しましょう。ホットタオルもくせになる気持ちよさです。
(1)魚腰(ぎょよう)
瞳孔の真上、眉毛の真ん中あたりにあるくぼみ。
(2)攅竹(さんちく)
眉頭のすぐ下くらいにあるくぼみの部分。
(3)太陽(たいよう)
眉尻と目尻を結んだ線の中央からわずかに外側にあるくぼみの部分。
(4)睛明(せいめい)
目頭と鼻のつけ根の間にあるくぼんだ部分。目の特効ツボとして知られる。
(5)承泣(しょうきゅう)
瞳の中心のすぐ下あたりにあるくぼみ。眼下の骨の縁を目安に。
\ 顔のツボ押しは中指や薬指でそっと! /
力が入りすぎない中指や薬指の指先で押すのがいい。爪を立てないように注意。左右同時に押すといい。
目の疲れにはホットタオル
目の疲れに効果抜群なのがホットタオルを当てる方法。熱めの湯に浸けて絞るか、絞ったタオルを電子レンジで温めても。
ハンドタオルやフェイスタオルを熱い湯に浸して絞り、適当な大きさにたたんで閉じた目にのせる。鼻をふさぐとくつろげないので、折り方を工夫すること。熱いとやけどの原因になるので、確認してからのせる。
タオルを熱い湯に浸して絞り、首の後ろに当てる。湯を沸かすのが手間なら、濡らして絞ったタオルを電子レンジで温めてもいい。絞ったタオルを30秒から1分、様子を見ながら加熱し、温度を確認してから使う。
『Dr.クロワッサン 免疫力を強くする、疲れない体のつくり方。』(2020年6月26日発行)より。