医師・帯津良一さんが健康のためにやっていること5つ。
文・宮田文郎 イラストレーション・山下カヨコ 撮影・岩本慶三
ドクター帯津健康法(1)お酒と味わう夕食の定番は栄養素を考慮しつつ好物を。
筋力低下や骨粗しょう症の対策には、たんぱく質やカルシウムを食事で摂ることも重要です。
勤務先の病院の食堂で取る夕食の内容は長年ほぼ同じ。まずは湯豆腐や刺身盛り。枝豆やそら豆、納豆といった豆類も食卓に並びます。野菜の炒め物も定番で、「ウスターソースをじゃぶじゃぶかけたのが好きなんですよ」。
栄養面だけでなく、おいしく楽しむことも大切というのが持論。塩気があるものに目がなく、イカの塩辛やカツオの酒盗などの小皿も欠かしません。最後は必ずご飯を一膳。にんじんやタケノコ、松茸といった炊き込みご飯や麦とろなど。
夕食は魚メインですが、時折お昼にお気に入りのお店で、牛肉のすき焼きをビールとともに堪能しています。
ドクター帯津健康法(2)毎日のスキンシップで相手への親しみもアップ。
前述した健康法の短歌の通り、ハグも習慣になっています。
「ハグすると脳内でセロトニンが分泌されます。これは、思いやりの伝達物質です。セロトニンの大家である医師の有田秀穂さんも、この物質を出すのに適した方法のひとつとして、スキンシップの効用を紹介しています。異性とのハグで生きる喜びも湧き出てきます」
誰かとまめにハグするごとに、ときめいています。
ドクター帯津健康法(3)朝はココアと昆布茶、時々ご飯。
朝食はいたってシンプルで、基本的に飲み物だけ。ポリフェノールが摂れるココアとミネラル豊富な昆布茶を。食事抜きになったのは7年前から。ある催しで太極拳を披露することになり、お腹を少しへこませようと朝食を抜いたことから。軽快に動けるようになったため続けています。
完全な食事抜きではなく、たまに前夜のご飯を一膳食べることも。
ドクター帯津健康法(4)乳製品が苦手でも大丈夫。カルシウムは昆布だしで。
骨の強化にはカルシウム。食材としては牛乳やチーズといった乳製品や煮干しが一般的ですが、
「この歳になって嫌いなものを無理やり食べる必要はありません」
代わりに昆布だしを使ったメニューでカルシウムを摂るようにしており、例えば湯豆腐もそのひとつ。なかでも大好きなのは、とろろ昆布をたっぷりとのせた一品。
「毎日継続することが何より大事だと思います」
ドクター帯津健康法(5)お酒は365日欠かさない。
晩酌の習慣が始まったのは学生時代。現在は生ビールをジョッキ2杯(自宅なら缶ビール3本)、それにウイスキーのロックをダブルで2杯。ここ30年以上、二日酔いになったことがないのが自慢です。
また、仕事のストレスがあるほうがお酒はおいしく飲める、が持論で「正月休みが嫌いなんですよ、働かないから(笑)。一日仕事してから、晩酌の席に着くのがいい。お酒が飲めるというだけでほっとして、気分が上がります」。
充実した仕事をしたあとのお酒だから飲みすぎることもなく、その後の睡眠にも影響がありません。
『Dr.クロワッサン あなたも、すぐできる! 名医の健康法』(2019年9月28日発行)より。