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脳神経と薬学の専門家に聞いた「不眠・不安・イライラ」の漢方薬選び。脳をしっかり休ませるものを。

情報過多の時代が生み出す不調に答えてくれる漢方薬選びの基準を、脳神経科学者で漢方薬剤師の井上和恵さんに聞きました。

イラストレーション・宇和島太郎 文・馬場さおり

脳神経と薬学の専門家に聞いた「不眠・不安・イライラ」の漢方薬選び。脳をしっかり休ませるものを。

【不眠・不安・イライラ】不眠やモヤモヤ、苛立ち怒りっぽいなどのメンタルに関する問題に。

<定番>怒りっぽい原因はカルシウム不足。これって本当?

誰でも一度は聞いたことがある、「イライラするのはカルシウムが足りていない」というフレーズ。実際に十分な栄養が摂れなかったような時代は、カルシウムやミネラルが不足することによって、神経が過敏になりやすく、イライラや不安感を覚えるケースがありました。

そのため、カルシウムやミネラルが処方に入っている『柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)』は、精神的に悩みを抱えている人たちの強力なサポート漢方薬として活躍。

さらに交感神経を休める働きもある『柴胡加竜骨牡蛎湯』は、食事制限や偏食によってカルシウム不足であり、平熱が高く、体力が充実している人の場合、現代人にとっても活用したい漢方薬の一つです。

<でも、こんな場合は>「過労な脳と神経をしっかり休ませる漢方薬選びが吉!」

脳神経と薬学の専門家に聞いた「不眠・不安・イライラ」の漢方薬選び。脳をしっかり休ませるものを。

脳や神経を使い過ぎていると交感神経が過剰に興奮してしまい、不眠や不安、イライラを引き起こす原因になります。脳や神経が疲弊しているときは戦いモードの交感神経と休息モードの副交感神経の切り替えに働きかける『加味逍遙散』に頼りましょう。

また、日本人は肌理(きめ)が細かいために不感蒸泄(じょうせつ)が少ない上に、海や川に囲まれた環境で湿度が高くて水分過多になりやすい性質があります。

そんな日本人が必要以上に水分を摂取すると心臓に負担がかかり、そのせいで強い不安感が出てくるケースも。過剰に脳や神経を使っていないのに漠然とした不安感がありむくみを自覚する場合は、水分の代謝を高めつつ、心臓の機能をサポートする『真武湯』がおすすめです。

<不眠・不安・イライラには>購入できる漢方薬

加味逍遙散(JPS漢方顆粒-7号)/ジェーピーエス製薬

第2類医薬品 【容量・金額 要お問い合わせ】
第2類医薬品 【容量・金額 要お問い合わせ】

神経を使いすぎることで起こる不眠をはじめ、精神的に不安を感じたり、イライラしやすかったりするなどの精神神経症状や生理不順、冷えなどの不調に効果があります。※取扱店にて必要日数分を販売。

「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒/クラシエ薬品

第2類医薬品 24包 1,790円(税別)
第2類医薬品 24包 1,790円(税別)

イライラし、思い悩んでしまう人、テスト前や試合前などに緊張して眠れない人に適した漢方薬です。「気」を巡らせ、体にこもった熱を冷ますとともに、心を落ち着かせる処方で脳の興奮からくる不眠を改善します。

真武湯(サンワロンS)/ ジェーピーエス製薬

第2類医薬品 210錠 5,500円(税別)
第2類医薬品 210錠 5,500円(税別)

疲れやすく、全身の冷えやめまい感があり、下痢をしやすいときに役立つ漢方薬です。慢性胃腸炎、胃腸虚弱、過敏性腸症候群などによる胃腸症状があるときによく用いられ、長引く風邪の全身倦怠感にも使われます。

  • 井上和恵

    お話を伺ったのは

    井上和恵 さん (いのうえ・かずえ)

    脳神経科学者、漢方薬剤師

    「脳の研究」で国から科学研究費奨励金を受けストレスや痛みに関する研究を行う。漢方薬の薬理学的研究の後、独自の理論で、脳神経学的視点から漢方薬の処方をし、実績を上げる。

『Dr.クロワッサン 不調が消える、ふだん漢方』(2020年1月28日発行)より。

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