あちこちが不調なので、漢方薬局へ相談にいってみました。
イラストレーション・大田垣晴子 撮影・岩本慶三
起きたときは元気でも、次第にだるくなって。
おかっぱ頭の女性イラストが長年の代名詞にもなっていた大田垣晴子さん。近年、ヘアスタイルをショートにして、描くイラストの女性もショートに変わった。でも、変わったのはそれだけではなかったようで……。
「いつもだるいし、イライラするし、肩はこるし、花粉症はきついし。更年期っぽいようで。たくさんありすぎて、悩みは絞ったほうがいいんですよね?」
大田垣さんに初めての漢方薬局を体験してもらう前に、現在の体調について教えてもらうと、不調が次々と並べられていった。でも、悩みを絞る必要はなし。漢方は、原因がはっきりしない不調への対応が得意なのだから。
大田垣さんと訪ねたのは、東京・日本橋のイスクラ薬局日本橋店。応対してくれたのは薬剤師の橋本有香さん。中国に留学し中医婦人科の修士号を持つ。
漢方薬選びは、じっくりと生活習慣や体調についての悩みを聞くことから始まる。相談カウンターに座り、まず、相談カードに現在の体調や既往症などを記入。それを読んだ橋本さんが、気になった点を尋ねていく。
「年齢的に女性ホルモンのバランスに変化が起きやすい時期ですが、気になることはありますか?」(橋本さん)
「イライラするけど、どうでしょう。あとは疲れやだるさ、眠気などが更年期なのかなとも思っています」(大田垣さん)
その疲れやだるさ、眠気は、朝の家事を終えた後に、重くのしかかってくるのだという。
「朝起きたときは元気なんです。でも、さあ、仕事をしようかな、という時間くらいからだるくなって、横になったりします。やる気がでないのが顕著だなと思って。気力がなくても仕事は締め切りがあるから、守らなければならない。それで頑張れている感じです」
橋本さんは、大田垣さんの相談カードにあった、「冷え」「飲酒」「おなかの張り」に着目。
「冷えは、どこが冷えますか?」
「足先がとくに。家で靴下を履いていますが、急に足先がほてってきて靴下を脱いだり、冷えるとまた履いたりを繰り返しています」
お酒について、大田垣さんは、日本酒を毎日、2合飲んでいる。
「疲れ、だるさは、おっしゃったように午前中が多いんですね?」
「そうです」
「おなかの張りはいつから?」
「最近、張ります」
「ここで、ご自分の舌を見てみましょう」