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痛い、かゆい…不快なデリケートゾーンの乾き。医師に聞く治療法やセルフケア。

痛い、かゆい、ニオイの悩み……デリケートゾーンの不快症状は、人に話しにくく、
つらいもの。でも大丈夫です。婦人科での治療やセルフケアなど、方法はあります。婦人科医の小川奈津希さんに教わります。

イラストレーション・鈴木衣津子 文・板倉みきこ

Q.外陰部がカサカサして、かゆみがあります。

A.婦人科での治療と、保湿剤でのセルフケアが基本。

エストロゲンが減少することで、コラーゲンやエラスチン、水分が失われ、皮膚や粘膜が乾燥します。その結果、かゆみだけではなく、痛くて自転車に乗れない、おりものシートがこすれて痛いなどの不快症状が増えるのです。

更年期症状が日常に差し支えが出るほどになると、それは更年期障害。女性ホルモン補充療法(HRT)などが保険適用で受けられます。全身性のケアですので、皮膚や目や口、腟の粘膜などのうるおいが戻ってきます。ただ、皮膚が薄く敏感になってきていますので、セルフケアも必要ですね。体は泡でなで洗い、入浴後は専用の美容液を使うのもおすすめです。

痛い、かゆい…不快なデリケートゾーンの乾き。医師に聞く治療法やセルフケア。

Q.子宮体がんの検査が痛くて、できません。

A.腟錠を使うか、超音波の検査をしましょう。

子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。頸がんは、経腟で子宮頸部をブラシでこすり、細胞を採取。子宮体がんの検査は、さらに子宮口から細いチューブやブラシを入れ、子宮内膜の細胞を採取します。更年期には、腟萎縮が始まって腟や子宮口に器具が入らないケースがよく見られます。その場合、医師の指示で、腟内をやわらかくするため女性ホルモンの腟錠を使うこともあります。どうしても困難な場合は、経腟超音波検査で子宮内膜の厚さと不整を確認します。痛みのため検査を避ける人もいますが、更年期は子宮体がんの好発年齢。医師と相談して、上手に検査を受けてください。

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Q.セックスの時に出血しました。痛みも。

A.HRTのほかにも、高周波と超音波の治療もあります。

性交痛は更年期障害の、とてもポピュラーな症状。痛みのためにセックスレスとなり、結果、パートナーとの関係が悪化することもあります。

根本治療であるHRTは効果が高いのですが、治療を受けられない人もいます。ジェネラルクリニックでは、高周波と超音波を腟内に照射する機器を使っていますが、レーザー治療と違って火傷を起こさないので腟表面を傷つけず、ダウンタイムもありません。出産後の尿漏れ改善のため、この治療を受ける30代女性も多いのですが、粘膜下のコラーゲン層が再生され、腟も引き締まります。潤滑ゼリーなどもよいものがありますので、賢く使いましょう。

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Q.排尿の時に、しみるようになりました。

A.雑菌が原因の膀胱炎。別の病気が隠れていることも。

排尿痛は、膀胱炎の典型的な症状です。膀胱炎というと性交渉が活発な若い女性の病気と思われがちですが、更年期世代も少なくありません。うるおいが失われることで、雑菌が繁殖しやすくなるからです。

くり返すと慢性膀胱炎になったり、過活動膀胱などの病気が隠れていたりしますので、婦人科でしっかり治療することをすすめます。

おりものや尿のついたナプキンをつけたままにしない。セックスのあとに排尿して雑菌を流して、シャワーで清潔を保つこと。利尿作用のあるお茶を摂って排尿を促すなど、日常生活の中でも、できる工夫をしてほしいですね。

Q.ニオイがきつくなったような気がします。

A.雑菌がニオイの主な原因ですが、性感染症にも注意しましょう。

エストロゲンが減少することで、腟内のペーハーバランスが崩れると、雑菌が繁殖しやすくなります。HRTなど更年期治療で改善することが多いのですが、気をつけなければいけないのは、性感染症です。

クラミジアやトリコモナスは多く、自覚症状がないままピンポン感染をくり返します。また、日本では梅毒やHIVも増加傾向にあります。パートナーが決まっていても定期的に、また最近パートナーができた場合なども、検査をしておけば安心できますね。痛み、今までにないおりものがあった場合は、迷わず婦人科に行くことです。

「腟内フローラ」って 何ですか?

腸内フローラならぬ、「腟内」の細菌叢(フローラ)が感染症や妊娠などに大きく関わっていることがわかってきた。

「悪玉菌の増加は不妊の一因に。腟内環境の乱れは、ストレスや疲労、腟内の洗いすぎなどが原因ですが、更年期も乱れることが」(小川さん)

最近では、腟内フローラチェックのキット「Ubu Check kit」も。(問:ジェネラルクリニック TEL.03-3401-0333)

「妊活中の女性はもちろんですが、すべての世代の女性に知ってほしいですね」

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