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先に息を吐く逆腹式呼吸で血流アップ。さらに完全呼吸法を覚えれば無敵。

ステップアップした呼吸法を行えば、プラスのメリットがいろいろ得られます。
運動と組み合わせたい逆腹式呼吸と細胞呼吸が行える完全呼吸法を覚えましょう。

文:韮澤恵理 イラストレーション/ヤマグチ・カヨ 

普段の呼吸が速い人の呼吸筋トレーニングにも

腹式呼吸、胸式呼吸に肩呼吸をミックスし、すべての呼吸が一度に行えることから完全呼吸法と呼んでいる非常に効果の高い呼吸法です。

肺を包んでいる胸郭の、上部、中部、下部を構成する呼吸筋群をすべて使い、ヨガにも取り入れられている高度な呼吸法です。

この呼吸法ひとつで3つの呼吸法のメリットが得られるだけでなく、活動的な部分への酸素供給が良くなる「ボーア効果」を高めるので、細胞が効率よく酸素を受け取ることのできる呼吸(内呼吸)が行えます。このため、代謝が良くなり、内臓機能も活性化し、全身の健康維持に役立ちます。

呼吸器官全体を使うため、精神安定や呼吸筋トレーニングだけでなく、姿勢矯正や、消化機能の向上、便秘の解消まで期待できます。

ゆっくりと集中して、思い切り深い呼吸ができるので、副交感神経のスイッチがオンになり、緊張がほぐれます。自律神経のパワーを上げる効果が最も期待できるので、ぜひマスターしましょう。

[ 根来式究極の呼吸法 ]

肺や胸の中の筋肉をまんべんなく使う呼吸法の最高峰。各部の呼吸法が同時に行え、短時間で高い効果が。

完全呼吸法

先に息を吐く逆腹式呼吸で血流アップ。さらに完全呼吸法を覚えれば無敵。

(1)椅子でもあぐらでも自分がラクな姿勢で座り、目を閉じて背筋を伸ばす。

(2)おなかをへこませながら、息をゆっくりと吐ききる。

(3)腹式呼吸の要領でおなかをふくらませながら息を吸う。肺の下部に空気を満たすような気持ちで。

(4)そのまま肩甲骨を寄せるように肩を後ろに引き、胸を開く。

(5)その姿勢で両肩を上げてさらに息を吸い、肺の上部も空気で満たす。これで腹式呼吸→胸式呼吸→肩呼吸が連続した。

(6)吸いきったら息を2~3秒止める。苦しければ止めずにゆっくりと吐いてもいい。

(7)おなかをへこませながら息をゆっくりと吐き、胸を元に戻していき、肩を下げて息を吐ききる。1から7を、5回程度繰り返す。

※ひとつひとつの動作を、ゆっくりていねいに行うこと。

  • 根来秀行

    監修

    根来秀行 さん (ねごろ・ひでゆき)

    医師、医学博士。

    東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、フランス国立保健医学研究機構客員教授、杏林大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。『毛細血管は増やすが勝ち!』(集英社)、『ホルモンを活かせば、一生老化しない』(PHP研究所)、『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』(幻冬舎)、『【図解】毛細血管が寿命をのばす』(青春出版社)など著書多数。

『Dr.クロワッサン 毛細血管を増やして、血流力をつける!」(2018年11月15日発行)より。

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