塩水に漬けるだけで自然に乳酸発酵。腸にやさしい「浮かし漬け」の作り方。
文・韮澤恵理 撮影・千葉充 料理・スタイリング 牛尾理恵
【浮かし漬け】腸にやさしいシンプル漬け。
日本の浅漬けは塩を振って重しをのせ、塩分をしみ込ませるものが多いけれど、この浮かし漬けは塩水に入れてそのまま置くだけの簡単さです。野菜そのものについている菌や空気中にいる自然の菌が助けてくれるので、時間とともに乳酸発酵が進み、旨味が深まって日もちもするのが特徴です。
ロシアではそっくりなキャベツの漬け物が親しまれていますし、韓国の水キムチや、ドイツのザワークラウトもこの仲間。ここでは野菜と塩水だけで漬けるレシピを紹介します。
おすすめは大根です。最初はさっぱりとした塩味の浅漬けですが、日にちが進むと深い旨味が増し、最後にはほんのりと酸味も。季節によって漬け時間は違うので、様子をみて食べるといいですね。ちょっぴりしょうゆをたらしたり、ゆずや七味をプラスして和風に食べても、オリーブ油、マヨネーズなどでサラダ風にしてもおいしくて驚きます。
そのまま食べるほか、料理へのアレンジの幅が広いのも特徴です。漬ける野菜によって展開はいろいろですが、代表的な例を紹介します。日もちのするストック野菜と考えて便利に使いましょう。
●炒め物に
大根をはじめ、ほとんどの野菜の浮かし漬けは炒め物にも向きます。ごま油やオリーブ油でシンプル炒めに。
●汁物やスープに
野菜によってはみそ汁やスープの具にも向きます。発酵による味わいで、生の野菜では出せない複雑なテイストになるのが魅力的。和風だしやスープのもとと合わせれば、おいしい野菜スープができあがります。
●鍋物に
大根、白菜などは塩水ごと鍋物に利用するのもいい方法。塩水ごと鍋に入れ、煮立ったら肉や魚介類を加えたり、しゃぶしゃぶ風にしても。
●グラタンやシチューに
カリフラワーやパプリカにハムやベーコンを足してチーズ焼きやクリームシチューにしてもおいしい。
大根の浮かし漬け
【調理に際して】
大さじ1は15ml、小さじ1は5ml、1カップは200ml、材料は2人分が基本ですが、作りやすい分量のレシピもあります。特に指定のない場合、中火で加熱します。電子レンジは600Wを使用しています。500Wの場合は加熱時間を1.2倍程度にします。オーブントースターは機種によって加熱時間が異なるので、様子を見ながら加熱します。
『Dr.クロワッサン 名医が教える腸ストレッチで、自律神経はよみがえる。」(2019年1月15日発行)より。
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