井澤由美子さんのキッチンには、大小さまざまな保存瓶がずらり。火付け役となったレモン塩はもちろん、梅酒やらっきょう漬け、ドライフルーツなど、自ら仕込んだ保存食が並んでいます。
漬け込むのは、千葉と島根にある畑やベランダ菜園で収穫した新鮮な野菜や果物、それに全国から見つけてきた厳選食材。調味料も納得のいくものを選び、素材によって使い分けたり、ブレンドしたりしています。
「たとえば、らっきょう漬けに使うらっきょうは、私が全国で一番おいしいと思っている鳥取産のもの。鳥取は寒暖差が激しいので、食感がよくおいしいらっきょうができるんです。それを、奄美群島の加計呂麻島にしかない、元気な酵母菌と酢酸菌を天然発酵させたきび酢を使って漬けています」
定番以外に、珍しい食材を試すこともしばしば。今年は、日本スモモと掛け合わせた梅の希少品種「露茜(つゆあかね)」を新たに梅酒と梅干しに。できあがりを待つワクワクも、保存食を作る楽しみのひとつです。
「漬けたり、干したりと手をかけてあげると、長持ちするだけでなく、栄養価が高くなったり、食感がよくなったりします。そんなふうに自然の力を上手に取り入れて、調理に生かすようにしています」