みんながダイエットのためにしている血糖値コントロールの工夫に管理栄養士がアドバイス。
撮影・黒川ひろみ 文・長谷川未緒
【工夫】
「晩ごはんを早めに済ませたいけれど、夫とは生活時間がずれているので、そうもいかず……。平日は先に食べてしまいますが、毎日それだと夫に悪いと思い、週末は一緒に夜中に食べています。私はおかずだけしか食べないようにしていますが、それでも太ってしまいます」(ウェブディレクター・47歳 家族…夫40代)
【麻生先生】おやつを味方につけよう。
やっぱり夜ごはんなんですよね、ダイエットの要は。食事しないで遅くまで待っていると、お腹が空いて食べ過ぎちゃうでしょう? そうすると、血糖値が爆上がりしてしまうんです。血糖値の上昇をなるべくおだやかにしたいから、おやつと上手につきあうのがいいかもしれませんね。
たとえばナッツ、海苔、ゆで卵、枝豆、高カカオチョコレートなど血糖値を上げにくいおやつをつまみながら、待ってはいかがでしょう? 分量は片手にのるくらいで、それ以上は食べ過ぎ。昭和世代は果物がいいと思っているからドライフルーツをおやつにする人も多いのですが、糖質が高いんですよ。中性脂肪に変わりやすいので、ダイエットという観点から考えると、控えめにしましょう。
血糖値の上昇をゆるやかにするには、よく噛むのも非常に良い方法です。「30回噛みましょう」「ひと口ごとに箸を置きましょう」というのは理にかなっています。寝る3時間前には、ご本人もダーリンも、食事を終わらせてくださいね。
【工夫】
「お腹が空いていないときは食べない、腹8分目を徹底する、野菜をなるべく食べる、朝はタンパク質を必ず摂る、安全な食材にこだわり、調味はシンプルを心がける、デトックスのため薬味を常備。このような食生活の実践により、体重増加はありません」(フリーランス・39歳 家族…夫40代、年長と年少の娘)
【麻生先生】薬味の香りで、フィトケミカルを。
すごいですね! 腹8分目でがまんできるのは、血糖値のコントロールが上手にできているからです。血糖値が急上昇すると、インスリンが分泌されて血糖値が急降下するときに、もうひと口食べたくなったり、甘いものが欲しくなったりします。デザートを食べないと食事を終えられないという人は、糖質過多ですから、糖質を抑え、タンパク質を多く摂り、血糖値のコントロールをすることが必要です。
薬味も、消化を助けたり、新陳代謝を活発にしたりする成分が豊富な、おすすめ食材です。色や香りなどには、抗酸化作用のあるフィトケミカルが含まれていることが最近の栄養学でわかってきました。できればちゃんと刻んだりおろしたりするといいですね。香りが立ったときに旬を感じるなど、心にもつながっていくと思います。
【工夫】
「大学生の娘は、急に『晩ごはんはいらない』などと言いだすことがあり、そうなると結局すべてが私のお腹におさまり、過分な栄養摂取に……。それでも白米抜きで糖質制限して、1カ月に4㎏痩せたことも! 痩せたご褒美に制限を解除したら、あっという間に戻りました。その繰り返しで、だんだん効果が出にくくなっている気がします……」(会社員・47歳 家族…大学生の娘)
【麻生先生】糖質制限を 目的にしない!
糖質制限は血糖値をコントロールして生活習慣病などを予防するための手段なのに、制限自体が目的になっている人も。タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂り、適切な血糖値コントロールを!
そして糖質制限してもだんだん効果が出にくくなるのは、加齢のためです。閉経後はホルモンバランスも変わり太りやすくなるから、運動しましょうね。
『クロワッサン』1013号より