慢性的な腰痛やゆがみも解消!座って、立って、骨盤を整える。
文・黒澤 彩 イラストレーション・ウラモトユウコ
ウラモトさんのお悩み、原因は骨盤にあるのかも?
「仕事柄、座っている時間が長いうえに、姿勢が悪いのが腰痛の原因かも……」
なんとかしようと、中村格子さんのクリニックへやってきたウラモトユウコさん。患者さんの多くが抱える腰痛や疲れやすさといった悩みに対して、中村さんが推奨するのは、“骨盤を意識した座り方”。
「正しい座り方というと、とにかく背すじを伸ばせばいいと思っている人が多いのですが、それよりも、骨盤がまっすぐ立っているかどうかがポイントです」
と中村さん。猫背であごが突き出た座り方の人は、骨盤が後傾している証拠。背中をCの形に丸くしないと頭を支えられないため、自然とその姿勢になってしまう。反対に、背中が反ってしまう人は骨盤が前傾して、恥骨のあたりに体重がかかっているはず。さっそくウラモトさんの座り方をチェックしてもらうと、
「うん。いい感じですが、骨盤はどうですか? 自分の骨盤を前後に揺らしながら、恥骨側でも尾骨側でもなく、ちょうど真ん中の座骨で座れる位置を探してみましょう。そして、左右のお尻に均等に体重が乗っているかを確かめて」
ふだんはあまり意識することのない骨盤の位置。でも、言われたとおりに座ったまま腰をゆらゆら動かしてみると、
「あ、わかります! これが“骨盤が立った”状態なんですね」とウラモトさん。横から見て頭部の中心(耳の位置)と座骨がまっすぐになる、正しい座り姿勢。
「キープするのがきついと感じたら、椅子の高さを調節します。膝が股関節より少し低いところにきて、両足がしっかりと床についていれば疲れないはず」
椅子の高さを調整できない場合は、座布団やタオルを使って座面を上げたり、足を乗せる台を置くなどの工夫を。背もたれがある椅子なら、腰の部分にタオルを当てて、骨盤をまっすぐ保てるようにサポートするといいのだそう。
体がとくに硬い人は、骨盤を立てる感覚をすぐにはつかめないかもしれない。でも、骨盤の形や長さは人それぞれ。正しい位置は自分で見つけるしかないのだ。
正しい座り方ができたら、次は立ち方や寝姿勢もチェック。骨盤のズレが不調の原因になる理由も見ていく。