きちんと食べて、正しく眠る。それが痩せやすい体をつくるコツ。
撮影・岩本慶三 文・寺田和代
睡眠習慣を整えて約15キロの減量と体調改善に成功し、それを機に本格的な研究に取り組み、現在の職業につながった友野なおさん。年齢や仕事のせいか不眠気味と悩む湯山玲子さんにまず提案したのは、日々の寝不足による睡眠負債度を判定する「睡眠負債チェックリスト」(下表参照)の作成だ。
湯山さんがチェックを入れたのは「休日になると、平日のプラス2時間以上起床時間が遅くなる」と「ベッドに入ってから30分以上眠れない」。いつもではないけれど早朝に目覚めて眠れなくなることも気になっているそう。
まず現在の「睡眠負債」をチェックしよう!
□休日になると、平日のプラス2時間以上起床時間が遅くなる。
□午前中の会議や移動で眠気に襲われる。
□ベッドに入ったら5分以内に眠れる。
□ベッドに入ってから30分以上眠れない。
□起きたい時刻よりも2時間以上早く目が覚め、そこから眠れない。
□夜中に目が覚め、そこから眠れない。
□充分な睡眠時間がとれていると思わない。
□「よく眠れた」という実感が持てない。
□すっきりした気分で起床できない。
□日中の身体的、あるいは精神的な活動・意欲レベルが落ちている。
□日中の仕事や学業に対する集中力が維持できない。
8つ以上当てはまる人は睡眠習慣を即刻改善する必要がある。
湯山玲子さん(以下、湯山) 具体的な悩みは2つです。ひとつは週1日、名古屋で早朝番組出演のため、前泊するホテルで3時間程度しか眠れないこと。もうひとつは早朝に目覚めて眠れなくなりがちなこと。若い頃に比べて寝つきが悪く、年齢とともに睡眠の質が変わってきたと感じています。だからといって昼間に悪影響が出ることはないのですが……。でも、短時間睡眠が続くことで将来、認知症などのリスクが高まらないかと心配しています。
友野なおさん(以下、友野) 一つ一つ見ていきましょう。まず眠りの質は、睡眠負債の多寡である程度判断できます。チェック項目が2つ以下は睡眠負債予備軍、3つ〜7つは睡眠負債認定、8つ以上は危険レベル。湯山さんは予備軍ですが、日中の過ごし方に影響が出ていないので結論から言うと不眠症ではありません。不安な点がたくさんあっても昼間きちんと覚醒し、アクティブで、心身ともに健全であれば基本的に医療的ケアの必要はありません。逆に、チェック項目が少なくても日中に悪影響が出るようなら要注意です。
湯山 友野さんにお聞きしたかったことがもうひとつ。実は数カ月前から体質改善と減量のために食事の見直し(糖質制限など)と筋トレに取り組んで手応えを感じていますが、時々減量が停滞してしまうことがあります。それが寝不足の時。友野さんの「睡眠ダイエット」についても教えてください。
友野 そこからお話ししましょう。睡眠が乱れると太る、は本当です。多くの研究からも実証されています。私は28歳の頃、精神不安から睡眠や生活リズムが崩れ、肥満やさまざまな不定愁訴に悩んでいました。見かねた母の「何もかも忘れてぐっすり眠りなさい」の一言を機に睡眠改善に取り組み、半年で7キロ、1年で10キロ、結局マイナス15キロを現在もリバウンドなくキープしています。悩み続けたアトピーや生理不順も消え、文字どおり生まれ変わった感覚があります。
湯山 本当に!? どうやって?
友野 自分の心身で確かめながら試行錯誤を繰り返した結果、私の場合、深夜0時から朝7時までの7時間睡眠がベスト。短かすぎても長すぎてもダメ。海外のものを含めさまざまなデータを検証しましたが、やはり7時間睡眠がひとつの目安と言えそうです。
湯山 昔は夜10時から2時までが睡眠のゴールデンタイムと言われました。
友野 関係ありません。美容と健康に関わる成長ホルモンは何時に眠ろうが入眠約3時間の深い睡眠時にドッと分泌されます。体脂肪や内臓脂肪を減らしたり、細胞の再生を促してくれるなど天然の美容液とも呼ばれています。
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