【入門編】病気予防に、アンチエイジングに。松見早枝子さんの魚菜生活。
撮影・黒澤義教 文・今井 恵
「健康とエイジングケアを考え、肉を控えてたんぱく源に魚を選ぶ“ペスクタリアン”を実践中です」
と、松見早枝子さん。ペスクタリアンとは魚菜食主義者の意味。
「アメリカの調査結果で菜食になると大腸がんリスクが低下するという報告を読んだのですが、その菜食の中で最もリスクが下がったのが、ペスクタリアンだったんです。極端な菜食よりバランスが大切なのかなと思いました。とはいえ、我が家には子どももいるので完全に、ではありません。週に1、2度はお肉も食べますよ」
今年の3月から始めたところ、花粉症が改善して驚いたという。
「魚は鮮度が短く難しいと思わず、漬けたり、干物や缶詰も使えばおいしく続けられると思います」
こうすれば魚菜生活が、楽しく、簡単に!
苦手な下ろし作業は、鮮魚店を上手に利用して。
魚を下ろすのが嫌だから、丸ごと1匹は買わないという人が多い。
「対面で買える魚屋さんを見つければ、そのストレスは解消。内臓を抜くのが苦手、三枚に下ろせない、という人も、こんな料理に使いたいと伝えると、調理しやすく下ろしてくれます。最近はスーパーでもこういうサービスがあるので、チェックしてみては?」
新鮮でいい魚に出合ったら、迷わず買って真空保存。
「できる限り魚は天然のものを使いたい。でも新鮮でいい魚が、食べたい日に買えるとは限らないのが、魚料理のハードルが高い理由。私は真空パック器を購入してから、いい魚を見つけたら即買うようになりました。真空で保存すれば、食べたい時に調理できます」
冷蔵なら約1週間、冷凍にしておけばそれ以上に保存が可能。
オイルや塩麹漬けで保存すれば、調理も簡単。
もうひとつの保存法としておすすめなのが塩麹漬けやオイル漬け。
「オリーブオイルに漬ける場合、香りが強すぎないマイルドなタイプを選んで。塩麹はペースト状を絞り出せるパック入りが便利です。オーブンシートを被せて保存すれば、余分な水気も吸ってくれます」
どちらも味つけを兼ね、焼くだけで食べられるのがありがたい。
松見早枝子(まつみ・さえこ)●料理研究家、美と健康をテーマにビューティレシピストとして活躍。しばらく休講していた自身の料理教室「Tronc(トロン)」を12月から再開予定。
『クロワッサン』984号より