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節約上手の家計管理は、1週間単位って本当ですか?

「上手に家計管理をしている人は、1週間ごとの予算でやりくりしているらしい……」という噂を聞き、実践している皆さんの方法を分析!

撮影・岩本慶三(藤川さん) 文・生島典子

ファイナンシャルプランナー 藤川 太さん
ファイナンシャルプランナー 藤川 太さん

これまで2万件以上の家計相談を受けてきたファイナンシャルプランナーの藤川太さんに、家計を1週間管理することの意味や効果を聞いた。
「家計の相談に来る方のなかで、家計管理が突出してうまい『貯め上手』の方がいます。しかし、貯め上手さんはあまり家計簿をつけていません。だいたい1週間単位でお金を使うペースがわかっているから、つけなくても使いすぎないんだといいます。先取りで必要な貯蓄額を確保して、残りを予算化し、使うお金が予算内に収まっていれば、貯蓄は順調に増えていきます」

たとえば、1カ月の生活費の予算が9万円だとすると、30日で割って、1日3,000円のペースで使っていけば、予算の範囲に収まる。お金を使う日と使わない日があるから、3,000円×7日間で、1週間の生活費が2万1000円で収まればよいということになる。
「1週間単位で帳尻を合わせていくのが人間の管理能力としてはちょうどいい感覚なのでしょう」

家計簿をつけている人は、時間をかけてもうまくいかなくて、つけるのがつらくなるから続けられない。
「家計簿はつけるのが大変だから、つけただけで達成感はありますが、つけた内容を検証し、分析し、対策を立てて解決するところまでいかないと、意味がありません。しかし、そこまでやれる人は少ないのです」
家計簿は1カ月で管理することが多いが、1カ月管理では、最後にお金が足りなくなりがちだ。1カ月単位では、チェックポイントが遠すぎて、誤差が出やすくなる。
「1カ月の家計管理も、人生のお金の収支も同じですが、どこかで使いすぎたら、どこかで節約して帳尻を合わせないといけません。チェックポイントが遠いと帳尻合わせが大変になりますが、短いチェックポイントでやっていけば、修正しやすくなります。この短い期間が『1週間単位』ということです。きちんとやりたい人は、レシートが1枚なくなっただけでも家計簿をつける気力が削がれます。しかし、1週間管理は、予算以内に収まればOK。何に使ったかは問わないのでレシートがなくなっても気になりません。これまで家計簿にチャレンジしてうまくいかなかった人も、1週間管理はトライする価値があると思いますよ」

ポイントは、1週間で予算を守れなかったら、次の週で調整して1カ月の予算は超えないようにすること。上手に赤字にならないように管理するためには、若干の予備費をとっておいて、そこまではOKにする、予算を30日ではなく、35日で割って設定するなどの工夫を。予算を守れなかったときの罪悪感を持たないように考えよう。

「家計の1週間管理」とは?

1.  手取り月収から、先に貯蓄をし(手取り月収の1割以上が目安)、毎月の固定費(住宅費、水道光熱費、通信費、保険料、教育費など)と夫婦のこづかいを除き、1カ月の生活費を割り出す。

2. 1カ月の生活費を食費、日用品費、交通費、予備費など、それぞれの家庭に合わせた費目別に予算額を出す。

3. 使う金額が大きい食費の予算を5週間で割り、1週間分の使えるお金を財布、ファイルなどに入れる。

4. 1週間をその予算で生活し、余ったお金は別にして貯めておく。

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