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同室派? 別室派? パートナーとの寝室問題。

隣で眠るパートナーが原因で、快眠できないという人は少なくないはず。建築家と一緒に解決策を考えます。

撮影・中垣美沙 イラストレーション・KAZMOIS 文・澁川祐子

NLデザイン一級建築士事務所代表 丹羽 修さん
NLデザイン一級建築士事務所代表 丹羽 修さん

パートナーとの睡眠時間帯のズレや、寝室環境の好みの違い。毎日のことだけに、小さなストレスが積もり積もって不調や不和につながりかねない。同室で寝るのか、思い切って別室にするのか。同室にしても、ベッドは別という選択肢もある。だが、新築やリフォームに際し、寝室の具体的なプランをパートナーと検討している人は案外少ないと、数々の住宅設計を手がけてきた丹羽修さんは語る。
「マンションなどの個室はさほど広くないので、工夫のしようがなく、とりあえず一緒に寝ているというご夫婦が少なくありません」
ただ、ヒアリングすると現状に不満がないわけではない。
「ご要望やご不満をお持ちなのは、ほとんどの場合、女性です。反対に男性の側から出てくるご要望は『テレビを置きたい』という程度のことが多いです」

現役世代によくある悩みは、起床時間、就寝時間の違いによるストレス。どちらか(主に夫)が早朝に出かける、あるいは深夜に帰ってくるため、物音や明かりで目が覚めて眠りが中断されてしまうパターン。そのほか「タバコやお酒の臭いが嫌」「いびきがうるさくて眠れない」といった不満も多いという。

一方、長年連れ添ったリタイア世代になると、聞こえてくる声にも変化が見られる。夫が定年になり、昼間はいつも一緒だという妻から発せられたのは、「寝る時まで一緒にいたくない」というひと言。ほかにも「今までさんざん顔を見てきたので、できるだけ顔を合わせないようにしたい」「寝る前まで相手の小言や愚痴を聞きたくない」といった辛辣な本音も。就寝時ぐらいは部屋を分け、パートナーと一定の距離を保ちたいと望むケースが多そうだ。

とはいえ、こうした本音が出てくるのは、夫婦揃っている時ではなく、どちらか片方だけに話を聞いている時だと丹羽さん。
「面と向かってはっきりと『一緒に寝たくない』とは言いにくいですよね。寝室を絶対に分けたいとおっしゃるのは、ある程度ベテランのご夫婦に限られます。若い世代は、もしかしたら別室にしたいと思っているのかもしれませんが、相手に遠慮して言い出せないケースもけっこうあると思います」

寝室に対する不満は感じていても、本音で話し合っている夫婦やカップルは少ないというのが現状なのかもしれない。

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