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植物を枯らしてしまう人が、しがちなことワースト3。

愛情を傾けているつもりなのにどうしても枯れてしまう。3つの基本を見直せば、緑は元気に育ちます。

撮影・青木和義(山元さん)、中島慶子(物) 文・渡辺尚子  花の写真提供・サカタのタネ 商品提供(トレリス)・タカショー

ガーデンスタイリスト 山元和実さん
ガーデンスタイリスト 山元和実さん

植物は好きなのに、育てるとなぜか枯らしてしまう……。植物に後ろめたい思いを抱いた人は少なくないだろう。
「植物は静的で、動物のように主張しませんが、それでも『生きものと暮らしている』という意識を持つことが大切ですね。そして、植物の命綱を握るのは、水やり、置き場所、土と肥料。それらを見直してみるとよいでしょう」
と、山元和実さん。風が強かったら「鉢の土が乾いていないか」とベランダをチェックしたり、日差しがきつくなりそうな日は「このままだと、ストレスがかかりそう」と、鉢を日の強すぎない場所に移動したり。植物の気持ちになって考えることが大切。

「多忙な日々を送っていると、自分の都合を中心に生活を回しがち。だからこそ、ひと鉢の植物に意識を向ける訓練を続けたい。その積み重ねで、自分の生活も丁寧になっていくはずです」

【植物を枯らす原因 第1位】水やり 与えればいいわけではない。タイミングと分量の見直しを。

《よくある間違い、こんなこと。》
□土の表面が湿ったら本日の水やり、無事完了。
□朝の水やりを忘れてしまい夏の昼間にたっぷり水分補給。
□2泊3日くらいの旅行なら水やりなしでも大丈夫。
□多肉植物やサボテンは、水やりなしで平気でしょう?
□冬枯れしている宿根草、水をあげたのはいつだっけ。

植物を枯らす原因のワースト1といったら、水やり。
「水やりは、土の内部が乾いたら、鉢底の穴から流れ出すまで与えるのが基本。表面が乾いているくらいの状態だと、根は水を求めて伸びていきます。常に土が湿っていないといけない、と誤解されがちなのですが、それだと根が呼吸できずに腐ってしまいます。赤ちゃんのオシメが常に濡れているようなもの。気持ち悪いですよね」
と山元さん。しかし、この「乾いた」「湿った」状態を把握するのが難しい。
「乾いた状態と満水状態、それぞれのときに鉢を持ち上げて、重さを覚えておくと目安になります」

水やりの時間帯もポイントだ。
「真夏の高温の時間帯はだめ。鉢の中が熱くなり、根を傷めてしまうんです。真冬の夕方も、夜間に根が凍るのでよくないですね。夏と冬は午前中に。風の強い日は乾燥しやすいので、できれば1日2回与えるなど工夫が必要です」

では、うっかり忘れてしまったときはどうしたらよいだろう。
「しおれていたら、時間を問わず即刻与えるべきです。真夏だったら日陰に移動させて、冷たい水道水をたっぷりと何度か与え、冷ましていきます」

また、うっかりを繰り返して枯らしてしまう人は、まずは水やりの習慣をつけることが必要。
「とくに宿根草は、冬に地上の葉が枯れるので、つい水やりし忘れるんですよね。常緑多年草を一緒に植えておくと、冬場も自然に目がいくので水やりの習慣をつけやすくなります」
一方、心配性の人は、水をあげすぎて根腐れさせがち。多肉植物を枯らす場合も、たいていは水やりしすぎだという。だらしなさの比喩として「サボテンを枯らすほど」なんて言葉があるけれど、むしろ世話の焼きすぎだとは!
「多肉植物やサボテンは、生育期には乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷりと与え、休眠期には月に一度程度、または水を切る品種もあります」

最後に、よくある旅行中に枯らしてしまう悲劇については?
「植物のことを考えたら2泊3日が限度。丈を短くして蒸散を減らし、半日陰にまとめておくとか、行く前にたっぷり水をやるとか、自動水やり機をセットするとか、工夫も必要です。受け皿やバケツに水を張っておくのは、根腐れしやすいのでおすすめできません」

冬場の楽しみをベランダに。常緑多年草は、冬も葉があるので水やりが楽しくなる。写真はアガパンサス(常緑種)
冬場の楽しみをベランダに。常緑多年草は、冬も葉があるので水やりが楽しくなる。写真はアガパンサス(常緑種)
しおれた鉢花の応急処置。水きれして元気をなくしたら、たっぷりと水を与えて、濡らした新聞紙で大きく包む。夏場以外に。
しおれた鉢花の応急処置。水きれして元気をなくしたら、たっぷりと水を与えて、濡らした新聞紙で大きく包む。夏場以外に。
冬場の楽しみをベランダに。常緑多年草は、冬も葉があるので水やりが楽しくなる。写真はアガパンサス(常緑種)
しおれた鉢花の応急処置。水きれして元気をなくしたら、たっぷりと水を与えて、濡らした新聞紙で大きく包む。夏場以外に。
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