『鈴木亮平の中学英語で世界一周!』著者、鈴木亮平さんインタビュー。「英語は、躊躇せず話す姿勢が大事なんです。」
撮影・土佐麻里子 スタイリング・臼井 崇(THYMON Inc.)
ヘア&メイク・宮田靖士(THYMON Inc.)
東京外国語大学英語専攻卒業で英検1級所持。英語力が堪能なことで知られる鈴木亮平さんだが、帰国子女ではなく、幼い頃から英語に触れ、日々努力してきた賜物だという。本書は、そんな「ノンネイティブ」の立場と経験から、本当に実践的な英会話術を、英語教育のスペシャリストであるスティーブ・ソレイシィさんとの対談形式で紹介していく実用本だ。
7歳で初めてアメリカに旅行。そこで英語に触れ、海外と理解できない言葉への興味が生まれ、10歳でYMCAの英語教室へ。中学卒業までにそのYMCAの企画でオーストラリアとアメリカ、2度の短期ホームステイを経験する。
「そのときは楽しい思い出しかないですね。英語ができない!とは思わず、むしろ身振り手振りを交えてどんどん積極的に行けば通じるんだ、と。それで本格的に留学したい気持ちが高まりました」
希望が叶って高1から1年間留学したオクラホマの学校では、高2なのに特別にプロム(卒業ダンスパーティ)に参加させてもらったり、Favorite Person(学内人気投票第1位)に選ばれもした。
「でもそれは僕が英語を話すのに引っ込み思案でもの静かだったから、逆に“Cool!”って思われたんじゃないかと(笑)。そんな経験があったからこそ、その後はうまくしゃべれないからと躊躇するのはやめようと決意しましたね」
ソレイシィさんも本書内で絶賛する鈴木さんの柔軟な対応力は、そんな決意から生まれたのかもしれない。どう言うべきかわからなくても黙らずに知っている単語を駆使して言い換える、クレームを言うなら毅然とした態度できっぱりと。苦い体験からも学んできた。
「初一人旅のNYでは白タクに乗ってしまったり、マーケットでカモられたりもしましたし(笑)」
培われた英語力を維持する方法も本書では紹介されているが、おすすめは「あるテーマに対しての意見を、ひとりで英語で説明してみる。観念的な話になるから難しい、だからこそ勉強になります」。
言語という点では、大河ドラマ『西郷どん』での薩摩言葉も実は難しいという。
「イントネーションが独特で。同じ日本語ですら簡単にはネイティブレベルにはなれない。だから英語をネイティブのように話すのは所詮無理だと思うんです。でもネイティブじゃないからこそ、文法からきちんと学んだはず。学習した英語で、自信を持てばきちんと伝わるって思ってほしいですね」
マガジンハウス 1,400円
『クロワッサン』975号より