朝9時。息子を自転車の後部座席に乗せて保育園へ走り出す。
片道15分。その道のりがわたしたち親子にとって午前中唯一のおしゃべりタイムだ。
「今日は先生の劇の日だって」
「げき?」
「『大きなかぶ』を先生が劇でやるんだって」
「かぶ? お野菜、きらいだモーン!」
やれやれ。園に子どもを送り届けたら、来た道を引き返す。今日の仕事は午後から。帰って洗濯物をすませなくちゃ。
急いで帰って、昨日聴きそびれたラジオを“radiko”のタイムフリー機能で。ラジオを聴きながらの家事は、当社比1.5倍ではかどるのだ……!
この数年でラジオを聴く環境が変わった。スマホでアプリを開けば、1週間分の放送を遡って聴く事ができる。他にも新技術があるのだが、それはまた別の機会に。
スマホを手に取り、しばらく悩んでTBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」を聴く事にした。深夜の中で一番好きな番組。テレビ局での出来事からニュース、地元阿佐ヶ谷の話まで。世の中の空気を絶妙な角度で笑いに変えてくれるから、どんなに息がつまりそうな出来事があっても爆笑問題のラジオを聴けば、まだ大丈夫だと思える。
午前中に深夜ラジオを聴くとちょっと外国にいるみたい。遠い国で時差を感じながらラジオを聴いているような。
ベランダで小さな靴下を洗濯バサミで止めながら、思わず大笑い。端からみたら、かなり可笑しな光景なことだろう。