眠れない時、全身を落ち着かせるツボストレッチ。
ライター 齋藤優子 イラストレーション 中村久美
眠れない時の体の状態
夜になると、昼間、活発に動いていたエネルギーや熱が、トーンダウン。体の深いところに収まって、初めて眠りにつけます。つまり、眠れないのは、まわりが暗くなっても、頭や胸のエネルギーが、昼とおんなじ状態。活発なままで、ちゃんと収まってくれないから。
そこで、不眠によく使われる2つのツボを使って、熱を持ったままの上半身と冷たい下半身、両方に働きかけます。手のツボは。頭や胸のエネルギーに作用するとされるツボで、活発なエネルギーをしずめます。そして、血を充実させるといわれる足のツボ、を使って血流を促し、足から体を温め、ぐっすり眠れる準備をします。
手首と足首のツボで全身を落ち着かせる。
神門(しんもん)をなでる
場所:手首の小指側のきわのくぼんだところ
方法:神門に指をおいて、手前か、向こう側か、どちらか気持ちいいと感じるほうに、一定の方向でなでる。
[ 体の不調にも効く ]
● もの忘れ
● 認知症
● 胃の痛み
● 便秘
● 胃のもたれ
さらに効果的:三陰交(さんいんこう)をもむ
場所:内くるぶしから指幅4本分上の骨のきわ
方法:三陰交を指の腹で押し、血流を促すようにグルグル回しながら、もむ。
[ 体の不調にも効く ]
● 生理不順
● 冷え性
● 下痢
● 皮膚の症状
● 更年期障害
『Dr.クロワッサン 心が弱ったときのツボストレッチ。』
柳本 真弓 監修
定価:850円 (税込)
肩こり、腰痛、ダイエット……、ツボは体をよくしたいときに押すものと決めつけていませんか。
イラっとしたとき、むなしいときなどにも、ツボは効果を発揮します。
心と体は表裏一体なのです。
眠る前に、今日一日の心の疲れもリセットしてみてください。
[ 監修 ]柳本真弓(やなもと まゆみ) 鍼灸按摩マッサージ指圧師、リンパドレナージセラピスト、『目白鍼灸院』院長。
大学卒業後、ひょんなことから興味を抱き、一念発起して鍼灸の世界へ飛び込む。鍼灸師として、さぁこれからという時に、“怖くて電車に乗れない”という試練に遭う。勤務鍼灸師として働いている時も、壁にぶち当たること多々。壁を乗り越えたい! 治療技術に自信を持ちたい! と門を叩いた北海道の師匠の元での修業も終え、何とか鍼灸専門院を開業するまでこぎつける。コンプレックスのかけらもなさそうに見えて、実は、日々あっちで傷つき、こっちでへこみ、ちょいちょい落ち込む。だからこそ患者にも言葉が響き、10年間来院者が後を絶たない。ちなみに、話しぶりもまた、見た目の印象とは裏腹に、かなりあけっぴろげ。「ものすごいクセ毛なんですけど、ブローするのもパーマかけるのも面倒臭くて」というわけで、前髪まですっきりと後ろにまとめたポニーテール姿で、日々治療を行っている。
http://mejiroacu.com