珠寳さんの稽古では、教科書もお手本も免許も存在しない。
——お手本通りにきれいな花を使って、同じ形にいけることが目的ではなく、花の命と向き合い、そこに発見、感動があり、そして謙虚になること——(本文中より)
坐禅をするのと同じように、素直に向き合ってほしい、と花と己との一期一会を説いている。
「“私の作品です”と気張らず、一日その花の前にいられるくらいの空気感がちょうどいい。それには自分の主張を“十”出してしまわずに“七”でとどめる。あとの“三”は十人十色、花を観てもらえる人に残し委ねることが大切だとも、今は亡き師に教えられました」