10年ほど前、トリマーとして働いていたはせがわまみさんは、勤務先の動物病院で「ばた子」と出会った。
「元の飼い主は、トイレがうまくできないばた子を安楽死させてほしいと動物病院に連れてきました。獣医は、しつければ大丈夫だと懸命に説得したのですが、受け入れてもらえなくて。供血猫として動物病院で飼うことにしたのです」
当時ばた子は2歳。5.5キロのコロコロした体形だが、警戒心が強く、いつもさみしそうな眼をしていた。
「身体を撫でたり、声をかけたりしているうちに、すぐに仲良しになりました。トイレもちゃんとできるようになったんですよ。私の仕事が終わってホッとしていると、スリスリと甘えてきたりして。いつかはばた子と暮らしたいと思うようになりました」