工夫を重ねながら、古きよき器や道具を時間をかけて楽しむ──小説家・木内 昇さんの居心地のいい台所
小説家・木内昇さんの台所は、木製の岡持ちやアンティークの食器棚など、古きよきものに囲まれた唯一無二の空間。そのこだわりとお気に入りのレシピを聞きました。
撮影・柳原久子 構成&文・中條裕子
木内昇さんが現在暮らすのは、元は祖母が住んでいた一軒家。その家を引き継いで、8年ほど前に越してきた。
「キッチンの作業台は、上に何も置いていないのが理想なので、頻繁に使うもの以外は、収納するようにしています。昔ながらの収納がたくさんある造りなので、鍋類や瓶物の調味料なども全部おさまるので助かっています」
入居時に改装してよかったのは、ガスコンロ。グリルやコンロでオート調理ができるデリシアのココットが活用できるタイプにしたところ、これが便利で、とても重宝しているという。
「電化製品や調理道具もシンプルなものしか持っていないんです。普段使っているのは、ココットやタジン鍋、蒸し器など。どれも食材を入れて放っておけばよいので、楽ですよ」
魚や肉を焼いて、あとは納豆、味噌汁に鍋で炊いた十六穀米といった和食が忙しいいつもの定番。そんな普段の食事はもちろん、来客時にも愛用の調理道具が活躍してくれる。いずれも料理をのせる器は、気に入ったものを少しずつ買い足してきたもの。
「器が好きなので、食器棚はガラス戸が理想なのですが、常に整頓していないといけない気がして、今は中が見えないものにしています。メインで使っているのは、バリのオランダ人が使っていたというアンティークの食器棚。もう30年前に買ったもので、その年数に自分でもびっくりしています」
40年前に設置された、木製のオーソドックスなシステムキッチン。そこへ自分の好きなものを取り入れ、工夫を重ねながら使い続けてきた。今では、古きよきものに囲まれた、唯一無二の台所となっているのが伝わってくる。
お気に入りのレシピ
鶏としめじのトマト煮(上)とひよこ豆と新玉ねぎ煮(下)はタジンで作った。真ん中はかぼちゃのマッシュとクリームチーズのサラダ。
鶏としめじのトマト煮(上)とひよこ豆と新玉ねぎ煮(下)はタジンで作った。真ん中はかぼちゃのマッシュとクリームチーズのサラダ。
『クロワッサン』1167号より
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