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『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』上野の森美術館──ファン・ゴッホがアルルで最高傑作を描くまで

青野尚子のアート散歩。今回は、ついに東京にやってくる『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』。唯一無二の画家の生涯を追うことができる展示だ。第1期はファン・ゴッホの前半生、「ゴッホがゴッホになるまで」にスポットをあてる。

文・青野尚子

フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のカフェテラス(フォルム広場)》 1888年9月16日頃、クレラー=ミュラー美術館 (c)Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink
フィンセント・ファン・ゴッホ 《夜のカフェテラス(フォルム広場)》 1888年9月16日頃、クレラー=ミュラー美術館 (c)Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink

神戸、福島で開かれ、多くの人が訪れた『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』がついに東京にやってくる。今回の第1期、来年の第2期とあわせて唯一無二の画家の生涯を追うことができる展示だ。

第1期はファン・ゴッホの前半生、「ゴッホがゴッホになるまで」にスポットをあてる。画商の社員として働き始め、本格的に画家を目指すようになったころ、彼が“心の師”として仰いだのは農村の暮らしを見つめたジャン=フランソワ・ミレーといった画家たちだった。オランダで画家への道を歩み始めたファン・ゴッホは社会問題に関心を寄せ、都市の労働者や農民たちの姿に注目する。またパリに住む弟テオを頼ってパリにやってきてからは、印象派の絵画からも刺激を受ける。

その後、南仏プロヴァンスのアルルを訪れたファン・ゴッホはその地に憧れの日本を見た。そこで描かれた《夜のカフェテラス(フォルム広場)》が今回の展覧会の主役だ。夜のフォルム広場でイーゼルを設置し、カンヴァスに向かった彼は、それまで黒や灰色で描かれていた夜空を青で表現する。夜空の青にカフェテラスの黄色が鮮やかな対比をなす。

この展覧会に続く第2期は2027年に始まる。いずれもファン・ゴッホの傑作を多数所蔵するオランダのクレラー=ミュラー美術館の所蔵品によるものだ。愚直なまでに絵の道を追い求めた彼の姿にさまざまなものを重ね合わせることができる。

『大ゴッホ展 夜のカフェテラス』

フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年4-6月、クレラー=ミュラー美術館 (c)Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink
フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年4-6月、クレラー=ミュラー美術館 (c)Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands. Photography by Rik Klein Gotink

上野の森美術館 5月29日(金)~8月12日(水)

混雑が予想されるため会期前半の入館は日時指定予約が推奨されている。後半は完全日時指定予約制。また平日と土日祝日では観覧料が異なる。

上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)  TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) 9時~17時30分(金・土・祝日は~19時) 会期中無休平日の観覧料一般2,800円ほか

『クロワッサン』1166号より

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