太りにくく、燃えやすい体を作る、朝の代謝アップ習慣8。
イラストレーション・いいあい 文・小沢緑子
教えてくれた人
●河村玲子さん
パーソナルトレーナー、管理栄養士
●瀬戸郁保さん
源保堂鍼灸院 院長
●友野なおさん
睡眠コンサルタント
●真野わかさん
セラピスト、養腸家
代謝を上げるためには、まず朝が重要。〝朝のウォーミングアップ〟術で、体を目覚めさせて。
1.起床時にベッドの上でスワンポーズ。
「日常の動作で代謝を促すためには、普段から姿勢を美しく保つことが大切。その意識づけになるのが、猫背になりがちな背中の筋肉をしっかり伸ばす『スワンポーズ』」(河村玲子さん)。
目覚めたらベッドの上でうつ伏せになり、背中の上部を優しく反らす。
「起き抜けの体もほぐれ、気持ちよくスタートを切ることができます」
2.窓際に15秒立って光を浴びる。
「睡眠の観点からは、朝は太陽の光が差し込む部屋で気持ちよく目覚めることが肝心」(友野なおさん)。
起きたら窓際で空を見上げながら太陽の光を15秒間目に入れる。「すると体内時計が正常に働き始め、リズムが整い、次第に代謝のいい体に変わっていきます」。
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3.活動前に全身をぶらぶら。
「気功には体を細かく揺らす〝振動功〟という方法があります。それを応用して、朝起きてすぐ体と手足を4〜5分ぶらぶら揺らす動きを行うと体温も上がり、代謝を高めるいい準備運動になってくれます」(瀬戸郁保さん)。
リラックスしながらラクな姿勢で立ったら、かかとを軽く上下させながら体と手足をぶらぶら。
「左右に体を傾けたり、気持ちがいいと思う方向に揺らしてください」
4.朝食に鮭などの赤い魚介類を食べる。
「朝食の定番に、鮭、明太子、エビなど、赤い魚介類を取り入れるのがおすすめです。強力な抗酸化パワーのある成分・アスタキサンチンが豊富」(河村さん)。
特に夏は猛暑に加え、室内外の激しい寒暖差から自律神経がオーバーワークになりがち。
「体温調節を担う自律神経が乱れると体調が崩れやすくなるのはもちろん、代謝も低下します。神経細胞の酸化→自律神経系の機能低下。抗酸化作用の高いものを積極的に摂って体を酸化から守りましょう」
5.食事のときにひと口目だけは30回噛む。
「食事の際にあまり噛まずに食べると、胃腸に負担がかかります。特に夏はのどごしのいいものを飲み込むように食べがちで、余計胃腸が疲れて夏バテに陥ることも」(真野わかさん)。
よくひと口につき30回噛むとよいといわれるが、「最初のひと口目だけでいいので30回咀嚼することが大切。それが食べ物が来るという合図になり、腸もスムーズに動き始め、代謝アップにもつながります」
6.S状結腸もみで腸のぜん動運動を促す。
「便を溜めずに出すことこそ、体の巡りをよくして代謝を低下させないための大前提。朝の排便をスムーズにするために、左骨盤の内側にある大腸のS状結腸あたりをもんで。ここは一時的に便を溜めておく場所。心地よい刺激で便を直腸に送り出します」(真野さん)。
刺激する際は、息を吐きながら。「もむほどに腸は柔らかくなり、動きがよくなります。血行も促されて全身が温かくなるはずです」
緑、赤、黄色など鮮やかな色の服を着る。
日々の服装に鮮やかな緑、赤、黄色を取り入れるといい。東洋医学には五行という考え方があり、人間の体も5つの臓器(五臓)に分かれるととらえている。
「その中で代謝や食欲に関係する臓器が『肝(かん)』『心(しん)』『脾(ひ)』。これらの臓器にはそれぞれ反応する色(五色)があります。肝は緑(青)、心は赤、脾は黄色が各臓器の気の巡りをよくしてくれるとされています。身につけると、色の波長が体に及び、心身のバランスが整い、活性化していきます」(瀬戸さん)
8.10時にタンパク質の間食を摂る。
代謝を上げるためには食事でタンパク質を摂ることが必須だが、朝食で摂った後、10時にも間食として摂ろう。
「タンパク質は、1日の必要量を3時間おきなどに分散して摂取したほうがムダなく吸収されます。しかも、糖質や脂質と比べて食後の食事誘発性熱産生が3倍も高く、こまめに摂る=代謝を上げるスイッチを常に押しているのと同じ状態。筋肉量も保たれるので、燃えやすい体に整っていきます」(河村さん)。
その後も昼食、午後の間食、夕食で摂取して。
『クロワッサン』1121号より