暮らしに役立つ、知恵がある。

 

やってみると意外に簡単? DIY達人の家はアイデアがいっぱい。

一見ハードルが高そうではあるけれど……。
ちょっとしたコツがわかれば、初めてでもできるものがたくさんある。
その奥義をここに紹介。

撮影・青木和義 構成&文・堀越和幸

暮らしが変われば住まいも変わる。年々変化を続けるDIY達人の家。

やってみると意外に簡単? DIY達人の家はアイデアがいっぱい。

整理収納アドバイザーの肩書きを持つ夏目あや子さんは、DIYの達人主婦でもある。もともと編み物が好きで、15年前に参加したハンドメイドフェスタでブースの什器を手作りしたのがきっかけだった。

「やってみると意外にできた。それでハマってしまって、12年前に現在の一軒家に引っ越してからは、壁を塗ったり、ドアをリメイクしたり、ちょこちょこといじりながら現在に至ってます」

家は実際に住んでみないと様子がわからない。それにーー。

「私はモノを探すのが下手なのか、こんなところにこんなものがあるといいな、というのがなかなか見つけられない。ならば自分で作ってしまおうと」

郊外にある自然豊かな家の前にはゆったりとした川が流れている。夏はいいが冬は寒い。それなら自分で内窓を作ってしまおう。部屋の一角には柱を立てて衝立を渡し、片側が夏目さんのカフェスペース、反対側には三女の収納スペースを作った。どこにも売っていない、あったらいいなと思うもの。

「時間の経過によっても家に必要なものは変わってくる。そうやってDIYで移ろっていく、この家が好きです」

趣味の古道具の雰囲気に合わせて、机や棚をジャストサイズで手作り。

夏目さんの事務用品コーナー。中央に見える机は古材を使ってゼロから作ったもの。上段棚も手作り。ちなみに机左のレトロ調のブルートゥーススピーカーの背後にあるボックスは100均の簀子で作った、Wi-Fiのルーターの目隠しなのだそう。
夏目さんの事務用品コーナー。中央に見える机は古材を使ってゼロから作ったもの。上段棚も手作り。ちなみに机左のレトロ調のブルートゥーススピーカーの背後にあるボックスは100均の簀子で作った、Wi-Fiのルーターの目隠しなのだそう。

オープン棚に仕切りを付け、引き出し風の使い勝手に。

キッチンの収納棚。家に引っ越してきた頃は、扉のないオープン棚だったのを、子どもが増えていく生活に応じて引き出しタイプの棚にリメイクをした。「家の中のDIYではこれが一番大変だったかもしれません」
キッチンの収納棚。家に引っ越してきた頃は、扉のないオープン棚だったのを、子どもが増えていく生活に応じて引き出しタイプの棚にリメイクをした。「家の中のDIYではこれが一番大変だったかもしれません」

木枠の温もりが落ち着く、優しい日差しを作る内窓。

木枠とポリカーボネートで窓のサイズに合わせて手作りした内窓。窓が川に向いているので、厳しい冬の暖かさが違う。「取り外し可能で、作製してから10年が経ちました」。半透明なのでカーテンをせずとも目隠しに。
木枠とポリカーボネートで窓のサイズに合わせて手作りした内窓。窓が川に向いているので、厳しい冬の暖かさが違う。「取り外し可能で、作製してから10年が経ちました」。半透明なのでカーテンをせずとも目隠しに。

ホテルの一室を思わせる、簡単タオル収納のアイデア。

バスの扉に設置したタオルホルダーは100均の定番のアイアンバーと板を組み合わせて壁に縦に取り付けたDIY。「お風呂場からそのまま手を伸ばすと取れるので、案外便利なんです」
バスの扉に設置したタオルホルダーは100均の定番のアイアンバーと板を組み合わせて壁に縦に取り付けたDIY。「お風呂場からそのまま手を伸ばすと取れるので、案外便利なんです」

電気系統のスイッチを、木枠の扉で目隠し。

「機械的なものがあまり得意ではなくて」という夏目さんが、インターホンのモニターを隠すように取り付けたカバー。確かにこれが見えると見えないとでは、家の表情が変わる。
「機械的なものがあまり得意ではなくて」という夏目さんが、インターホンのモニターを隠すように取り付けたカバー。確かにこれが見えると見えないとでは、家の表情が変わる。

3本の柱と突っ張り棒で作るランドリーコーナー。

ツーバイフォーの柱を〈ラブリコ〉という突っ張りアジャスターで立てて作った、ランドリーコーナー。「雨の日の洗濯物干しの場であり、アイロンがけもここで行います」。洗濯は主に夫の仕事なのだそう。
ツーバイフォーの柱を〈ラブリコ〉という突っ張りアジャスターで立てて作った、ランドリーコーナー。「雨の日の洗濯物干しの場であり、アイロンがけもここで行います」。洗濯は主に夫の仕事なのだそう。

遊び心いっぱいの衝立は、夏目さんのなごみスペース。

部屋の一角に設けられた夏目さんのカフェスペース。「仕切りの小窓を開くと向こう側に三女のスペースが見えます。昔はおままごとで遊ぶコーナーでしたが、今は習い事の収納場所。家族の成長によって変わります」
部屋の一角に設けられた夏目さんのカフェスペース。「仕切りの小窓を開くと向こう側に三女のスペースが見えます。昔はおままごとで遊ぶコーナーでしたが、今は習い事の収納場所。家族の成長によって変わります」

天板のタイルを木材に張り替えて、自分の好きな台所のイメージに。

もともと一面のタイルだった台所の天板を、ちょっとした不具合をきっかけに木材でリメイク。「木材はタモで、水回りだから1カ月に1度はオイルを塗っています」。手間はかかるけれど、使い込むほどに味わいが出てきた。
もともと一面のタイルだった台所の天板を、ちょっとした不具合をきっかけに木材でリメイク。「木材はタモで、水回りだから1カ月に1度はオイルを塗っています」。手間はかかるけれど、使い込むほどに味わいが出てきた。

キャスター付きのテレビ台は、掃除の時も簡単便利。

大型テレビとオーディオスピーカーがいっぺんに乗る台があったらすごく便利かも。そんな思い付きで作った、キャスター付きのテレビ台。引き出しの一つは、家族のモバイル充電コーナーになっている。
大型テレビとオーディオスピーカーがいっぺんに乗る台があったらすごく便利かも。そんな思い付きで作った、キャスター付きのテレビ台。引き出しの一つは、家族のモバイル充電コーナーになっている。
  • 夏目あや子

    夏目あや子 さん (なつめ・あやこ)

    整理収納アドバイザー

    ブログ"なつめの手仕事日記"で自宅DIYの楽しさを綴る。著書に『なつめさんちの新しいのになつかしいアンティークな部屋づくり』(KADOKAWA)が。

『クロワッサン』1112号より

  1. HOME
  2. やってみると意外に簡単? DIY達人の家はアイデアがいっぱい。

人気ランキング

  • 最 新
  • 週 間
  • 月 間

注目の記事

編集部のイチオシ!

オススメの連載