「拝む」ポーズで、明日を気持ちよく過ごす。【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
移動や転勤、新学期……と、環境が変わりやすい時こそ、ココロを鎮める時間をもちましょう。
撮影・森山祐子 構成&文・越川典子
〈拝む〉朝に夕に、手のひらを合わせる。明日を気持ちよく過ごすために。”
幼いころからの習慣で、一人の食事でも「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせます。神社やお寺に行けば、皆さんも、自然と手を合わせているのではないでしょうか。ある研究によると、日本人は、手を合わせた状態ではウソがつきにくくなるそうです。不思議ですが、何となく納得ですよね。
手を合わせる=拝むことで、落ち着く。素直になる。心を込める。向き合う。感謝をする。ひと区切りをつける。――私たちがこのような感覚をもつのは、拝む向こうに、人よりはるかに大きな「何か」を感じているからではないでしょうか。その何かは、自然の力だったり信仰だったり、人によって異なると思いますが、偉大な力を身近に感じる時間は貴重だと思います。
朝でも夕でも、1日に1回。安具楽のポーズを組んでみませんか。コツは、手のひらを合わせ、ふーっと深く息を吐くこと。そして、静かに呼吸を続けます。目は半眼。あるいは、つむれば、より内観が深くなります。
内観とは、自分の精神状態を静かに見つめること、その有様、変化を観察すること。自己観察することで、見えてくるもの、変わってくるものがあり、それが人に落ち着きや謙虚さを届けてくれるのかもしれませんね。
皆さんの今日も明日も、気持ちのよい、穏やかな日となりますように。
安具楽(あぐら)のポーズ
ヨガの座位ポーズの基本です。両足のかかとをカラダの中心に寄せ、あごを軽く引き、腰を立て、カラダを真っ直ぐに保ちましょう。手のひらを合わせて、深い呼吸で8秒。1日1回。
『クロワッサン』1087号より