近頃注目されている、脳が作る腰痛 とは?
はっきりとした病気とは思えないのに、この疲れとだるさは何?
明治国際医療大学教授の伊藤和憲さんに聞きました。
明治国際医療大学教授の伊藤和憲さんに聞きました。
イラストレーション・小林マキ 構成&文・堀越和幸
近頃注目されている、 脳が作る腰痛とは?
【症状と原因】
腰痛なのに腰に原因がない。そんな腰痛が最近話題だ。
「痛覚変調性疼痛による腰痛で、脳が原因で起こる腰痛といわれています」(伊藤さん)
どういうことか?
「脳にはもともと痛みを弱める効果があります。私たちが机の角などに手をぶつけても痛みがいつまでも長続きしないのはそのおかげです」
それが脳が疲弊して、その効果が働かなくなると……。
「脳の感じ取る痛みのレベルが下がり、普段ならなんでもない刺激が痛みとなって現れてくるのです」
痛覚の変調による痛みは、とりわけ日常から体重のかかる腰などに出やすい。通常の腰痛との違いは、ある動作をすると痛むというのではなく、気分や天気などに左右されるのが特徴だ。
【対策】
痛みを感じると脳はドーパミンを放出して鎮痛に励むが、ストレスや不安が続くとその働きが鈍る。
「腰痛日記をつけてみてください。その日のイベントや天気などを記録してどんな時に痛みどんな時は大丈夫だったかを見る。認知行動療法になります」
また脳の支配領域の大きい手のツボを押すのも効果的だ。下イラストの腰腿点、合谷で脳をリフレッシュしよう。
『クロワッサン』1099号より