キウイは優秀な腸活食材。健康効果とオススメの食べ方を紹介。
文・クロワッサンオンライン編集部
善玉菌のエサとなる食物繊維が豊富! 他にもビタミンCの多さやたんぱく質の吸収を助ける効果も。
Q1.腸活を勧める理由を教えてください。
腸は健康の要所です。そう言える理由として、まずウイルスや細菌などの害となるものを体に取り込まないようにする防衛ラインであることが挙げられます。腸の状態、特に腸内細菌の状態次第で病気になる、ならないが決まると言えます。逆に言えば、腸を良い状態に保てていれば病気を防げる可能性を高めることができます。
また、腸が体の健康だけでなく、心の健康にも大きく関わっていることがわかってきました。というのも、小腸・大腸の中でセロトニン、通称幸せホルモンが作られています。人が「幸せだ」と感じる時の材料になるホルモンですね。体の中の約8割ものセロトニンが腸で作られていることがわかっています。
さらに、「やせホルモン」と呼ばれるGLP-1は小腸で作られます。これは食欲を抑え、糖の代謝をよくし、太りにくい体質にしてくれるホルモンです。
腸を健康に保つことで病気を防ぎやすくなり、ポジティブで前向きな気分になれたり、やせやすい体質になることができます。
Q2.キウイが腸活食材として優秀な理由を教えてください。
食物繊維が多いところです。それと水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が両方が含まれているのも特長です。水溶性食物繊維は善玉菌のエサになりますから、善玉菌が増えて免疫アップが期待できますね。
食物繊維が身近な食材にどれくらい含まれているか調べてみてください。よく口にする野菜や果物が、意外と食物繊維を含んでいないことに気づくと思います。食物繊維を摂ったつもりになっていませんか?
バランスの良い食事で1日に必要な食物繊維を摂取することが大事ですが、キウイはそれに大きく貢献してくれる食材です。
Q3.食物繊維が多いことのほかに注目すべきキウイの健康効果を教えてください。
食物繊維の他にもビタミンCなどの栄養素も豊富に含まれています。これから日焼けが気になる季節には積極的に摂りたいですね。
あとは、たんぱく質をしっかり摂れるようになります。糖・脂質の代謝がよくなるからです。ステーキなど肉をしっかりと食べたあとはデザートにキウイを食べればアクチニジンという消化酵素がはたらいて分解を助けてくれます。刻んだキウイと肉をつけ置きすると肉を柔らかくしてくれますが、これと原理は同じです。ぜひ試してみてください。
これだけたくさんの健康効果を得られる食材です。費用対効果で見るとかなりお得だと思います。
Q4.キウイを食べるのに適した時間帯(朝、昼、晩)があれば教えてください。
特に、一日のこの時間に摂るとよいということはありませんが、朝と晩に一個ずつ食べると栄養補給の点から見るとかなりいいと思います。あとは朝にヨーグルトにキウイを入れて食べている方がいると思いますが、善玉菌と善玉菌のエサになる水溶性食物繊維を一緒に摂ることができるのでいい食べ合わせです。
たんぱく質の分解を助けてくれるから肉や魚を食べるときは食後、食物繊維が豊富で血糖値の上昇を抑えてくれるから、炭水化物を多めに摂るときは食前、といった考え方もできますね。
Q5.キウイを食べるのに良い食べ方があれば教えてください。
あまりなじみないかと思いますが、皮にも栄養があります。よく洗って食べてみてはいかがでしょうか。皮にも食物繊維が含まれていますよ。またポリフェノールも含まれています。ポリフェノールにはがんの予防や、抗酸化作用が期待できますよ。生ゴミが減るのもいいですね。
ちなみに、できるだけ熱を避けた食べ方がオススメです。ビタミンCが熱に弱く、分解されてしまうからです。例えば、ミキサーでキウイを使ったスムージーを作る方もいるかと思いますが、ミキサーが熱を持たないように気をつけましょう。
川本先生の書籍『結局、腸が9割』(アスコム)。書影から購入サイト(Amazon)に移動できます。
みなと芝クリニック院長。1987年筑波大学医学専門学群卒業。元筑波大学消化器外科講師。アメリカテキサス大学MDアンダーソンがんセンターにてがんの研究も行うなどを経て現在に至る。著書に『結局、腸が9割 名医が教える「腸」最強の健康法』『死肪肝』など。