からだ

「首のつまり」を10秒でリセットする「頭ひっぱり」、気分もすっきり!

長時間同じ姿勢を続けていると、血行が悪くなり、全身の不調を招く。
そこでたった10秒取り入れるだけで、コリや痛みから解放される簡単リセット法を紹介!
ボディワーカーの藤本靖さんに、筋肉をほぐして整えるアプローチを教わります。
  • イラストレーション・中島陽子 文・鈴木恵美

一般的な人間の頭の重さは体重の約10%。その重さを、頸椎を含む背骨と、首・肩・背中の筋肉で支えている。

「座りっぱなしを続けていると、頭の重さが背骨へのしかかるため、負担は増すばかり。さらにスマホ操作などうつむく姿勢は、首回りの血行を悪くし、首のつまりや肩こりを招きます。背骨は、骨盤ともつながっているので、首のつまりを放置していると、腰痛や、脚のむくみなど、全身にも悪影響が」

まずは、この「頭ひっぱり」で、首のつまりをリセットするのが先決。

「頭をひっぱることで、頭と背骨の間に隙間ができ、首の緊張がほぐれ、血流や神経の通りがスムーズに。頭の重さから解放され、気分もすっきり!」

また応用編の「頬骨引っ張り」は、長引くマスク生活で動かす機会が減った表情筋にもアプローチできるので、顔のリフトアップが期待できるだけでなく、嚙みしめや顎関節症の予防にも。

[基本の動き]体の10%の重さがある頭を首から離す!

【10秒リセット】

こめかみの上側にある膨らみ(側頭筋)を手のひらの付け根で軽く引っかけるように持ち上げ、お腹のあたりが伸びるのを感じる。
背骨をまっすぐにしたまま、体を右に傾ける。このとき頭が遠くに引っ張られるイメージで。無理のない位置でそのまま数秒キープ、鼻で軽く深呼吸。
同じように左へも傾ける。座ったままで行ったり、歩きながら行ってもOK。

内臓の位置もリセット。

首から背骨が整うと、姿勢の保持や関節の動作をサポートしている深層筋が伸びて、内臓下垂もリセット。内臓が正常な位置に戻ると、胃腸の機能が上がり、ぽっこりお腹も解消!

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首のつまりが解消されて伸びることで、頭、首、背骨が正しい位置に。視界も開け、目の疲れも軽減。

【回旋】

背骨をひねる動きも続けて行おう。同じように頭を上に引っ張るようにして、体を右に軽くひねる。無理のない位置でそのまま数秒キープ。鼻で軽く深呼吸。左側も同様に。

【応用】頬骨引っ張り

頬骨に沿って薬指を、耳の後ろの突出した骨(乳様突起)に親指を当てる。親指と薬指で持ち上げるイメージで、頬骨を上に引っ張る。

本来の機能を取り戻し、動きたくなる体に!

何もしていないのに、首や肩が痛んだり、腰痛を覚える人が続出している。コリや痛みは体からのサインとし、それらを10秒で簡単にリセットできる方法をレクチャーしてくれたのはボディワーカーの藤本靖さん。

「テレワークやおうち時間が増えたことで長時間座りっぱなしでいたり、スマホ操作や寝転がってテレビを観るなどの不良姿勢……。現代生活の習慣はどうしても体の歪みを引き起こしやすい。
結果、筋肉が緊張して血管や神経が圧迫され、血行不良を起こし、体内に疲労物質が蓄積してしまいます。
もともと人間は二足歩行の動物で、座りっぱなしなど現代生活に対応できるような構造ではありません。歪んだ体のポジションを正し、機能を取り戻すために今回のリセットを行うと、深層筋がうまく使えるようになり、つまりやコリから解放され、体が自由に動かせるようになります」

今回紹介したのは人間の体がもともと持っている力を呼び起こし、うまく使えるようにするリセット法なので、簡単かつ負担のない動きで効果を実感できる。

「体がもともと持つ機能は歳を重ねても磨き続けられます。仕事や家事の合間にできる動きばかりなので、朝昼晩のスキマ時間に行えば、体も軽くなるはず。お風呂上がりの就寝前に行えば、筋肉の緊張が緩み、自律神経が整うので、眠りの質も変わってきますよ」

藤本 靖

藤本 靖 さん (ふじもと・やすし)

ボディワーカー

東京大学大学院で身体教育学を専攻。ボディワークの国際的な認定資格「ロルフィング(R)」取得。著書に『肩こりには脇もみが効く』(小社刊)など。

『クロワッサン』1086号より

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