上田淳子さんと行くお魚天国の町・明石。「魚の棚商店街」でお土産探し。
現地に縁が深い料理研究家の上田淳子さんが、この町を楽しみつくすプランをご案内します。
撮影・鈴木泰介 文・西村法子 地図製作・竹中聡司
港から徒歩10分という近さにある「魚の棚商店街」。昼に水揚げされたばかりの魚介を表す「ひるあみ」がそろう鮮魚店ほか、さまざまな小売店や飲食店が並ぶ。
「地元の人が今夜食べる食材を買いに訪れるような昔ながらの市場です。おすすめのお土産を、ぜひご自宅で楽しんで」(上田さん)
座古(ざこ)海産|自家製の干しダコで絶品タコめしを。
「地元のタコをじっくり天日で干した『自家製干しダコ』(2,400円~)はじめ、さまざまな魚介の乾物がそろう店。このタコで作るタコめしは、たっぷりの出汁が出て絶品ですよ」
地元明石の海苔やわかめのほか、兵庫県の食文化である「いかなごのくぎ煮」などを取り扱う老舗乾物店。タコの姿干しを、すぐに使えるよう細かく刻んだオリジナルの「たこめしの素」(650円)はヒット商品。
●兵庫県明石市本町1・1・14
TEL.078・911・3159
営業時間:9時~16時30分 木曜休
ハセ蒲鉾(かまぼこ)|冷蔵庫に常備したい揚げたての練りもの。
「明石では、魚をむだなく使うためのすり身文化が盛ん。こちらのお店は、まさに祖母とよく買い物に来た練りもの店。おやつに、お弁当に、おつまみにと大活躍してくれます」
戦前から続く練りもの専門店。店の奥で毎朝ひとつひとつ揚げられる練りものは、ふかふかの食感と評判。一番人気の「上天」(150円)ほか、淡路島の玉ねぎを使った「玉ねぎ天」(150円)など種類も豊富。
●兵庫県明石市本町1・1・17
TEL.078・913・0345
営業時間:10時~16時 不定休
林喜(はやき)商店|炭火で香ばしく焼いた尾頭付きの串穴子。
「子どもの頃は、いつも食卓に焼き穴子が並んでいました。こちらでも昔ながらの香ばしい尾頭付きの炭火焼き穴子を購入可能。近年は少々高価ですが、贈答品としてもおすすめ」
明治5年創業の焼き穴子専門店。尾頭付きのまま竹串に刺し、途中でしょうゆだれをしみ込ませながら香ばしく焼き上げる。穴子は脂ののった韓国産(2,000円~)、あっさりとした明石産(3,900円~)が選べる。
●兵庫県明石市本町1・4・20
TEL.078・911・3378
営業時間:10時~17時 木曜休
かねひで|ふわふわ熱くとろけるここだけの明石焼き。
「明石でタコ焼きと言えば、おだしたっぷりでふわふわに焼いた『明石焼き』。お店によって生地の割合が異なりますが、こちらはやわらかめで羅臼昆布のだしが効いています」
明石焼き(玉子焼き)専門店。1人前「明石焼き(15個)」(700円)。「じん粉」と呼ばれるでんぷん粉で作る生地とタコを専用銅板に流して焼き、熱いだし汁にひたしていただく。
●兵庫県明石市本町1・5・20
TEL.078・912・2194
営業時間:平日11時~15時 土日祝11時~17時 木・第2水曜休
\おいしいの続きはおうちでも!/
生タコと穴子を購入し、自宅で調理。タコは洋風アレンジでオリーブオイルとカルパッチョに。味わいがしっかりしているのでディルとレモンの皮をのせても負けず、かみしめるごとにそのハーモニーが広がります。
穴子は太く大きめの「伝助穴子」。フライパンで蒸し煮にし、乾燥あおさをバターに混ぜたもので仕上げました。プリッと濃厚な穴子にバター、あおさの海の味がベストマッチ。