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月のめぐりを知る、毎月1日のお赤飯、米で炊くお赤飯【本田明子さんの介護食レシピ】

食べる楽しみは少しでも長く残しておきたいもの。食べ物を自分で噛めて飲み込めるけれど、固いものが苦手、パサつくものが飲み込みにくい――そう感じている人向けに料理のコツを習います。

撮影・岩本慶三 スタイリング・本郷由紀子 文・編集部

月のめぐりを知る、毎月1日のお赤飯。米で炊くお赤飯

月のめぐりを知る、毎月1日のお赤飯、米で炊くお赤飯【本田明子さんの介護食レシピ】

「月の始まりは年に12回だけ。毎月1日に、好物を献立に入れることで、季節や日の巡りを意識でき、生活のリズムを感じやすくなります。月の初めに赤飯でお互いの健康を願うのもいいですね」

うるち米を使った赤飯ならば、飲み込みやすい。炊飯器を使えば気軽に炊ける。

【材料 (4〜5人分)】
ささげ(乾) …… 15~20g
水 …… 200ml
米 …… 2合(360ml)
茹で汁 …… 適量
すりごま(黒)、塩 …… 各少々

1. 豆(ささげ)は洗い、かぶるくらいの水を加えて強火にかけ、煮立ったらいったん茹で汁をこぼす。
1. 豆(ささげ)は洗い、かぶるくらいの水を加えて強火にかけ、煮立ったらいったん茹で汁をこぼす。
2. 分量の水を加えて再び火にかけ、フツフツしてきたら弱めの中火にしてふたをして15分茹でる。
2. 分量の水を加えて再び火にかけ、フツフツしてきたら弱めの中火にしてふたをして15分茹でる。
3. 茹で汁と豆は別にする。茹で汁は冷ます。
3. 茹で汁と豆は別にする。茹で汁は冷ます。
4. 冷めた茹で汁に、洗った米を浸し30分以上おく。
4. 冷めた茹で汁に、洗った米を浸し30分以上おく。
5. 炊飯器の内釜に米を茹で汁ごと移す。茹で汁の量は内釜のラインに合わせる(ここでは2合のライン)。
5. 炊飯器の内釜に米を茹で汁ごと移す。茹で汁の量は内釜のラインに合わせる(ここでは2合のライン)。
6. スイッチを入れて、炊く。十分蒸らしたら、器に盛る。ごま塩は、すりごまと塩を混ぜて振る。
6. スイッチを入れて、炊く。十分蒸らしたら、器に盛る。ごま塩は、すりごまと塩を混ぜて振る。
1. 豆(ささげ)は洗い、かぶるくらいの水を加えて強火にかけ、煮立ったらいったん茹で汁をこぼす。
2. 分量の水を加えて再び火にかけ、フツフツしてきたら弱めの中火にしてふたをして15分茹でる。
3. 茹で汁と豆は別にする。茹で汁は冷ます。
4. 冷めた茹で汁に、洗った米を浸し30分以上おく。
5. 炊飯器の内釜に米を茹で汁ごと移す。茹で汁の量は内釜のラインに合わせる(ここでは2合のライン)。
6. スイッチを入れて、炊く。十分蒸らしたら、器に盛る。ごま塩は、すりごまと塩を混ぜて振る。

おいしい毎日を重ねて、明日の暮らしへの活力を。

濃い薄い、甘い辛い、メリハリのついた献立にすることが大切です。

「願わくは、食べる喜びは、ずっと失いたくないものですね」

本田明子さんは、リタイアした男性向けの料理教室で長年講師を務め、いまは介護食を作る企業のメニューの開発にも協力している。

「いろいろな気づきがあります。生キャベツの千切りが口にあたって痛いとか。高齢者の一番人気がハンバーグなんだとか」

ここでは咀嚼(そしゃく)も嚥下(えんげ)もできるけれど、その力が衰え始めた人向けに、献立の考え方や食べやすく作るコツを教わった。

「献立は、一品一品に味の濃淡をつけて、料理を味わう楽しみを(上の献立参照)。味にメリハリがつくと、優しい味が引き立ち、逆にしっかりした味も生きてきます」

料理が噛みやすく飲み込みやすくなる、ちょっとした調理の工夫を紹介。

月のめぐりを知る、毎月1日のお赤飯、米で炊くお赤飯【本田明子さんの介護食レシピ】

A.鮭の照り焼き(濃)

焼き魚などのパサつきが気になってきたら、片栗粉をまぶして焼き、甘辛のたれを絡める。表面に軽くとろみがつき、飲み込みやすくなる。

【材料 (2人分)】
鮭 …… 2切れ

片栗粉 …… 小さじ2

 みりん …… 大さじ1
 しょうゆ …… 大さじ1
 砂糖 …… 大さじ1

【作り方】
1.
鮭の水気は拭いて、片栗粉をまぶす。
2. フライパンを熱し、サラダ油小さじ2(分量外)を全体になじませ、鮭を並べる。ふたをして中火で3分ほど焼く。身を裏返して2分ほど焼く。焼きすぎると身が固くなるので、注意。
3. 火を止め、すぐに空いているところにみりん、しょうゆ、砂糖を加え、スプーンなどで鮭にかけ、味を絡ませる。皿に盛りつけ、つけあわせを添える。

B.簡単白和え(淡)

(小松菜、油揚げなど) 
豆腐、塩、しょうゆ、練りごまの和え衣を青菜にまぶした。軸の部分をゆっくり咀嚼しても、衣の味わいが口中に留まり、おいしく食べられる。

【作り方】
1.
小松菜100gは熱湯に塩を加えて、ほどよい固さに茹で2cm長さに切る。油揚げはトースターで1~2分焼いて、細切りにする。
2. 木綿豆腐1/2丁は水気をきって、ボウルに入れマッシャーでつぶす。練りごま小さじ1、薄口しょうゆ小さじ1.5と砂糖小さじ1を加えて混ぜ、小松菜と油揚げを和える。

C.なすの味噌汁

(玉ねぎ、なす)
味噌汁の味噌は、それぞれが慣れ親しんだものを。嗅覚は比較的ゆっくり衰えていく感覚。だから汁物などでは、だしをしっかりきかせたい。

【材料 (2人分)】
なす …… 2本(150g)
玉ねぎ …… 小さめ1/2個(70~80g)
だし汁 …… 2.5カップ
味噌 …… 大さじ1~1.5

【作り方】
1.
玉ねぎは繊維にそった薄切りにする。
なすは皮をピーラーで薄くむいて、縦薄切りにする。                   
2. 鍋にだし汁、玉ねぎ、なすを入れて強めの中火にかける。
フツフツしてきたら弱火にしてふたをしてやわらかに煮て味噌を溶かし入れる。

D.混ぜご飯(淡)

(きのこ)
鮭の照り焼きが濃い味付けなので、混ぜご飯の具は優しい味にして、コントラストを。一品一品の味の変化を楽しみながら食事ができる。

【材料 (2人分)】
温かいご飯(米1合分)
鶏もも肉 …… 50g(小さく切る)
好きなきのこ(しめじ、生椎茸、えのきだけなど) 
しょうが …… 少々(皮をむいて千切) 

A
 だし …… 1/3カップ
 酒 …… 大さじ1
 みりん …… 大さじ1
 淡口しょうゆ …… 大さじ1

【作り方】
1.
しょうがは皮をむいて千切りにする。
きのこ類は石突きを切り落とし、食べやすく切る。
鶏もも肉は小さく切る。親子丼用、チキンライス用を買ってきてもよい。
2. Aを煮立て、鶏肉としょうがを加えて、中火で3分ほど煮る。肉に火が通ったら、きのこを入れてふたをして弱めの中火で4~5分煮る。全体をひと混ぜして、火を止める。
3. ご飯を炊き、炊きたてご飯に煮汁ごと加えて、混ぜる。

  • 本田明子

    本田明子 さん (ほんだ・あきこ)

    家庭料理家

    1982年に小林カツ代さんに弟子入り。基本を大切にした家庭料理には定評がある。著書に『本田さんちのおかずが美味しい理由』など。

『クロワッサン特別編集 介護の「困った」が消える本。』(2021年9月30日発売)

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