薄毛、抜け毛、ツヤのなさ。大人の髪トラブルの解消法。
イラストレーション・小迎裕美子 文・小沢緑子
【薄毛】Q .最近、地肌が透けて見えドキリ。 母も薄毛なので遺伝が不安です。
加齢によって髪全体のボリュームがダウンするのは自然なこと。
「年齢相応であっても、黒髪だと地肌とのコントラストが目立つため、髪の密度の低下=地肌の透けが気になる人は多いです。治療が必要な薄毛の場合、女性に多いのは『びまん性脱毛症』。生え際から後退するのではなく、頭髪全体が薄くなり、すだれ状に頭皮が透けてくるものです。ただし女性の薄毛の場合は、母親から遺伝することはありません」と、浜中さん。
原因は偏った食事や不規則な生活習慣、過度なダイエットなど、後天的な要因が強い。
「ほかにも薄毛の原因に婦人科疾患や甲状腺疾患が隠れていることもあり、血液検査で事前にチェックするなどの注意は必要です」
薄毛治療は内服薬や外用薬が中心。内服薬だと平均6カ月目で8割、外用薬だと7カ月目で7割の人に効果が期待できるという。
【抜け毛】Q.洗髪後に排水口に溜まる抜け毛がまさにホラー級。 髪型によっても抜け毛が増えるって聞いたけどホント?
「抜け毛は夏の紫外線の影響で秋口に増えることがありますが、一日80〜100本程度は正常。それ以上の抜け毛が慢性的に続くのでなければ心配無用です」(浜中さん)
髪型で抜け毛が増えるのは真実。
「長年、髪をきつく結んでいることで頭皮の一部が引っ張られすぎて抜け毛が増え、地肌が透けて薄くなる『牽引性脱毛症』です。髪を結ぶときはふんわり優しく、が負担がかかりません」(浜中さん)
〝女は分け目から老ける〟と、いうのは佐藤さん。
「大人の女性にとって分け目がしっかりついていると地肌が目立つだけではなく、髪がぺたんこに見えるなどいいことがない。いつも同じ箇所で一直線にせず、櫛や指でジグザグにする『分け目ぼかし』や、頑固な分け目グセには洗髪後に左右両側から交互にドライヤーをあて分け目の位置を変える『分け目変更トレーニング』を」
【ツヤのなさ】Q.どんなに高価なドライヤーやヘアケア剤を使っても髪にツヤが出ません。
高機能ドライヤーやヘアケア剤を使ってもツヤが出ないのは、使い方が間違っている可能性が大。
「髪にツヤを出すにはキューティクルを閉じてなめらかに整える必要がありますが、ドライヤーで乾かすときに風を下から上、つまり毛先から根元にあてている人もよくいます」(佐藤さん)
すると髪の表面をうろこ状に覆うキューティクルがめくれ、ツヤが出るどころかパサツキの原因に。
「ドライヤーの風は必ず根元から毛先へキューティクルの流れに逆らわないようにあてること。ドライヤーを上に持ち上げて使うこともあるので、持ち上げやすい重さか、風量が強いタイプかどうかで選ぶことも大切」
ヘアケア剤は髪が濡れているときは水分で飽和状態で浸透しない。
「アウトバストリートメントはタオルドライ後、ヘアオイルは髪がある程度乾いてきたらつけましょう」
『クロワッサン』1058号より
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