備蓄していた缶詰を美味しく食べる、ローリングストック食活用レシピ。
撮影・黒川ひろみ 文・板倉みきこ
災害時に備え、普段食べている食品を少し多めに買い置きし、期限の近いものから日常的に食べ、その分買い足す〝ローリングストック〟。
「非常時にも食べ慣れたものが食べられるからストレスが減りますし、事前にいろいろ試しておくことで、好みのものを備蓄できるように」(料理研究家・島本美由紀さん)
とはいえ、レトルトや缶詰などの保存食品は味の濃いものが多く、普段の食事に使いづらいので、気づくと賞味期限切れなんてことも多い。
「味のない豆腐や卵、水分の多い野菜などと組み合わせた料理にすると失敗がありません。また、調味料を使わずとも味が決まるので、普段なら時短料理として活用できます」
今回は缶詰の簡単レシピを提案。せっかくの備えを無駄にしないよう、日々の食卓に加えてみよう。
備蓄食品の新潮流、 ロングライフ紙パック。
常温で長期間保存できる「ロングライフ紙パック」。牛乳や豆腐など、長期保存が難しいとされてきたものも3カ月程度の保存が可能に。無菌の環境でパック詰めするので、保存料などを使っていない点もうれしい。日常的に使う飲料や食品をロングライフ紙パック仕様に替えれば、ローリングストックとして活躍。収納しやすく捨てるのも楽、と利点が多い。
【缶詰】食材の栄養成分が染み出した缶汁も、残さず上手に活用。
う巻き風の厚焼き玉子
甘辛味で蒲焼きにしたさんまは、タレに旨みと栄養がたっぷり。味付け不要で卵と好相性。
【材料(作りやすい分量)】
さんま蒲焼き缶1缶(100g)
卵2個
サラダ油適量
山椒適量
【作り方】
1.さんま缶は缶汁を切ってほぐす。
2.ボウルに1と卵を入れてよく混ぜ合わせる。
3.フライパンを中火で熱し、サラダ油を加えてキッチンペーパーでのばす。2を2〜3回に分けて流し入れ、巻きながら焼く。
4.食べやすく切って器に盛り、山椒を振る。
サバみそキャベツ
水分の多いキャベツと一緒にレンチン、で味が調う。野菜はモヤシでもいい。また、サバみそ缶は炒飯の具材としてもおすすめ。
【材料(作りやすい分量)】
サバのみそ煮缶 1缶(190g)
キャベツ 1/4個(約300g)
七味唐辛子 適宜
【作り方】
1.キャベツはざく切りにする。
2.耐熱ボウルに1とサバ缶を缶汁ごと加え、ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で5分加熱する。
3.器に盛り、好みで七味唐辛子を振る。
焼き鳥のひと口ピザ
甘いタレはマヨネーズやチーズとよく合う。子どもが喜び、お酒のつまみにもなる一品。卵と合わせて、親子丼にするのもいい。
【材料(6個分)】
餃子の皮 6枚
ピーマン 1個
コーン 大さじ2
焼き鳥缶(タレ味) 1缶(75g)
ピザ用チーズ 30g
マヨネーズ 適量
【作り方】
1.焼き鳥はハサミで小さめに切り、タレと混ぜ合わせる。ピーマンは薄い輪切りにする。
2.餃子の皮に1とコーン、ピザ用チーズ、マヨネーズの順にのせて、トースター(1000W)で7〜8分ほど焼く。
トマトうどん
完熟トマトにツナ缶も合わせれば栄養価の高いうどんが完成。まな板をできるだけ使わずにすむので、備蓄用にはダイス缶を。
【材料(2人分)】
冷凍うどん 2玉
ツナ缶 1缶
大葉の千切り 3枚分
白いりごま 適量
A[トマト缶(ダイス)1缶 めんつゆ(3倍濃縮)大さじ4]
【作り方】
1.ボウルにAを入れてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やしておく。
2.冷凍うどんは袋の表示どおりに解凍し、流水で洗ってから器に盛る。
3.1を回しかけ、缶汁を切ったツナ、大葉をのせ、白いりごまを振る。
※トマト缶は、加熱しなくても食べることができる。カットしてあるダイス缶を使うと便利。
『クロワッサン』1052号より