自分でできる整体、手技の基本を押さえて最適なケアを。
そんなときにも効くツボへの刺激やマッサージ法を症状別に紹介します。
不快を感じている部位に対して、効果的に働きかける押し方、もみ方も、写真を使って解説します。
鍼灸師であり指圧師の石垣英俊さんに教わります。
撮影/岩本慶三 文/石飛カノ モデル/北川リサ スタイリング/高島聖子 ヘアメイク/村田真弓 イラストレーション/松元まり子
姿勢の悪さが不調のもとに。
(A)肩が前に出る。
(B)このあたりがつっぱって、固まる。
(C)内臓が圧迫される。
(D)呼吸が浅くなる。
(E)画面の見すぎで目が疲れる。
(F)猫背になって背骨と骨盤にムリがかかる。
(F)まっすぐ立てず、老け見え。
症状別の対処法では、全身の繋がりを意識。
背骨を若々しく保つことで、不調を寄せ付けない体をつくることはできる。でも、今このとき感じている不調を軽減する方法も知っておきたい。
肩こり、腰痛、膝や股関節まわりの痛み、頭痛にイライラ、便秘に不眠……。多くの人が感じているほとんどの不調は、病院に行っても原因不明で打つ手なし。
不調の症状がさまざまあるように、原因もさまざま。
・姿勢のゆがみや動作のクセ。
・動きすぎ、またはほとんど動かないという極端な生活習慣。
・偏った食生活。
・対人関係などによるストレス。
・暑さ寒さなどの自然環境への適応力不足。
・運動不足や過去に負ったケガ。
不調はこのなかのどれかひとつ、または複数の原因が重なり合って生じ、慢性化していく。ある部分に生じる痛みやこりは体が発するシグナルで、根本的な原因は他にあることが多いのだ。
たとえば、肩こりを例にとってみると、凝った部分をマッサージしても症状がやわらぐのはほんの一瞬、すぐに元のようなこりの症状が現れてしまうもの。
本当の原因は長時間のスマホ使用によって猫背になり、呼吸が浅くなっているせいかも。この場合は肩ではなく、鎖骨の下周辺をほぐすことが最適の対処法になる。理由は鎖骨周辺の筋肉が固まって呼吸が浅くなっているから。
また、精神的に不安を感じると自律神経の交感神経が優位になり、筋肉が緊張し、呼吸が浅くなり、内臓の機能が低下。こうした状態が続くとこりの症状が慢性化する。
たかが肩こり、と放っておくと体が発するシグナルも広範囲に至る。肩の筋肉が緊張したまま固まると、筋膜で繋がっている腰や骨盤まわりの筋肉にも無理がかかる。神経、筋肉、内臓、筋膜、体のさまざまなパーツは繋がっているので、不調がどんどん分岐し伝達されていく。
また、東洋医学のツボや経絡も心身の不調が現れやすいポイント。今、不調が現れている部分だけではなく、全身の繋がりを意識して症状別のケアを。