収納王子コジマジックさんの、リビング&ダイニングの収納アイデア。
撮影・青木和義 文・田辺 香
【収納のプロ】整理収納のために建てた住居で快適な暮らしを手に入れました。
テレビや雑誌、Webなどのありとあらゆるメディアで、オリジナリティあふれる整理収納術を披露しているコジマジックさん。整理収納に目覚めたのはなんと幼稚園の頃だったという。
「片づけをすると親が褒めてくれるのがうれしくて。注目されたい思いから、進んでよく片づけをしていました。それに母親は整理収納が得意で、100円ショップで買ったものやカッティングシートを使って棚をリメイクしたり。遊びながら一緒に作っていたのでその影響も大きいですね」
やがて芸人になり、本業以外のスキルが求められる時代になると、得意だった片づけを武器にすることを決意。整理収納アドバイザーの講師資格を取得し、その道を極めると”収納王子”として活躍するようになった。
そして、これまでに2000軒以上の家の片づけをしてきた実績を活かし新居を構想。昨年5月に完成し、妻、小学1年生の長男、幼稚園年中の長女の家族4人で暮らしている。
「新居を建てる際、行動動線についてよく考えました。
家族がいつもどういう行動をしているのか。どこで何を使うことが多いのか。
その動線に合ったところに収納スペースを作っていくと、家の中が散らからなくなり、暮らしやすくなるんです。
新居に引っ越してきて、僕が1階の書斎で仕事をしていた時、『ああ〜、使いやすい』という妻の独り言がふと聞こえてきて、本当によかったなと。動きに無駄がなくなり考えることが減ったことで、家族の気持ちのゆとりにもつながっているという実感があります。
家族全員でリビングにいる時間、会話も以前より増えましたし、子どもの笑顔も増えました」
新居には、こんなところにもアイデア収納が、という驚きの連続。コジマジックさんのノウハウやこだわりが隅々まで行き届いているのが見てとれる。行動動線を生かした収納作り、整理収納に役立つグッズなど、参考にしたい。
【2階 リビング&ダイニング】使い勝手を考えて、厳選したテレビボード。
広々としたリビングの一角。壁一面に大容量の収納を兼ねたテレビボードが組み込まれている。
「〈DAIKEN〉の「MiSEL」というシステム収納を採用したんですが、一部に僕のアイデアを取り入れて作ってもらいました」
扉収納が9つ、ワゴン式の収納が2つあり、リビングで使う頻度の高いものが収納されている。
「掃除道具一式をここに。なるべく見せたくないものなので奥のほうに隠す人が多いんです。でも本来は家族が集まるリビングにあるとすごく便利なんです。楽に出せると、必要な時に手に取って使いやすくなります」
テレビの下の収納スペースにAV機器類を。各扉収納の内部はボックスを活用し、掃除グッズのほか、モデムなど細々としたものを収納。
ワゴン式のボックスには子どもがよく遊ぶおもちゃや取扱説明書などを収納している。また、「飾る」スペースも確保。
「すべて収納にすると圧迫感が出るのと、好きなものを選んで飾れば、ほかの場所に物を飾りたい気持ちが減り、散らかりにくくなるんです」
子どもと一緒に物をしまう場所作り・仕組み作りを。
3階の子ども部屋はこもりきりにならないように机、ベッド、クローゼットが置ける最小限の4.1畳に。リビングに長男と長女が学習できるスペースを設けたという。
「子どもが片づけしやすい仕組み作りが大切。物を戻す場所がわかれば自ら片づける習慣がつきます」
[こぼれ話]”片づけ”で増えた長男とのやりとり。
写真は引き出しの中を自分で整頓した長男の凛和くんから送られたメッセージ。「うれしかったですね。学校の宿題で”机の上ピカピカ大作戦”という絵日記を描いてくれたこともあります」
『クロワッサン』1041号より