自信がない、ネガティブ…自分由来のストレスを軽減するには?
イラストレーション・山口正児 文・板倉みきこ
自分由来 のストレス
自分の考え方次第で軽減できるはず、と思えば思うほど悩ましく、自己否定につながりやすいストレスでもある点が厄介。
介護して両親を看取った後、驚くほど立ち直れない。
「身近な人の死は、誰にとっても強いストレスです。心の喪失感にどう向き合うかの問題ですが、それには段階が必要」(小高さん)
死を受け入れる段階は5つある。孤独を感じ、死を認めたくない第1段階。なぜ死んだのか、自分はもっと何かできたのではないか、と相手や自分に対する怒りが湧く第2段階。占いに頼ったり、この世に戻してと神頼みや取引をする第3段階。気分の浮き沈みが激しい第4段階を経て、やっと死を受け入れられ5段階目を迎えられる。
「自分がどの段階にいるか理解すると対処法も見えますし、この段階を経て誰もが落ち着いていけると思えば安心できます」(小高さん)
とにかく気力が湧かない、理由もわからない。
「自分の心を疎かにしていると、何も感じない脳になってしまいます。また、あれをしなきゃ、これをしなきゃなどと理性を最優先に行動していると脳が疲弊し、気力は湧きません。まずは自分を否定せず、やる気が出ない状態の自分を受け入れること。体の緊張や疲れに気づくと、本来の脳の力、感覚が戻ります。息を吐き切ることを意識し、ゆっくり呼吸するだけでも効果があります」(横倉さん)
自分にとって安心・安全な空間で内観してみては、と小高さん。
「落ち着ける場所で自分のための時間を取ると、俯瞰する力が出てくるので、今あなたが求めているものが何かが見えてくるでしょう」
命に関わるわけじゃない体調不良がストレス。
「世の中に持病や体調不良がない人はいません。まずは自分の体を否定したり、『健康にならなければ』と、他人の指示を鵜呑みにするのをやめましょう。ごく当たり前に生きることが健康です。脳や体が求めるメッセージに、もっと応えてあげてください」(横倉さん)
自分がちゃんと受け入れられていないという疎外感や、孤独を感じている可能性もある、と小高さん。
「『大変だったね』『疲れたんだね』と言われるだけで楽になることも。共感し合える友人と話したり、家族は察してくれないと諦めず、今までと接し方を変えてみると相手の態度が変わり、体調から来るストレスが軽減するかもしれません」
昔から引っ込み思案。年をとってますます閉鎖的な生活。
脳を疲弊させないためには、嫌いな人とあえて合わせようとしなくてもいいのでは、と横倉さん。
「身に着けるものも食べ物も、好きか嫌いかで判断すればいいんです。現代人は情報に囚われすぎているから、脳が求めていることをなおざりにしています。それでは脳に余裕がなくなり、ますますストレスに弱い状態になるんです」
例えば引っ込み思案、閉鎖的といった性質をプラスに変換。
「いい意味でマイペースと捉え、今のほうが私らしくいられると思うなら気持ちも楽になります。自分が穏やかにいられる状態はどういう場所だと維持できるか、改めて考えてみるのも大切」(小高さん)
心配性で、一つのことが気になるとぐるぐる思考が回る。
何が気になるか、不安を感じるかは人によってそれぞれ。
「経験、幼児期からの成育環境、思考癖などが影響します。その不安を克服する経験を積み重ねることで、処理能力が上がったり、良い方向に気持ちを切り替えられたりしていくもの。心配や不安に囚われて抜け出せない人は、自分の状態を俯瞰できず、合理的な行動で解消していないから感情に振り回されてしまうのです」(小高さん)
心配なことが起きたら、なぜこんなに不安になるのか、状況と原因を客観視することも大事。
「自分の苦手パターンに気づければ、その後の対処が以前より楽になるはずです」(小高さん)
広告