加齢による歯の黄ぐすみやホワイトニングの悩み。歯科医に聞くQ&A。
撮影・青木和義 イラストレーション・星野ちいこ
Q.ホワイトニングをすると白くなるというけれど、どういう仕組みですか?
A.いくら歯磨きをきちんとしていても加齢とともに色素は沈着してしまう。
「薬剤で歯のエナメル質内部の着色有機物質を分解、無色化することで、白くします。主にクリニックで受けるオフィスホワイトニングと歯科医院の処方を自宅で行うホームホワイトニングの2種類があります。集中的に白くできるので私は併用をすすめます」。
クリニックではプロが施術するので歯のきわまで安心して行え、薬剤が高濃度なので短期間で終了。しかし薬剤やレーザーの熱に刺激を感じる場合も。
敏感な人は照射時間の少ないものや薬剤塗布のみのタイプにできるか医師に相談を。自宅で行う場合は1カ月ほど継続する必要があるが自由に進められる。初心者は痛みを感じるリスクの低い、低濃度のものから始めてみたい。
Q.自然な白さにホワイトニングするにはどうしたらいい?
A.歯を白くしすぎると、年齢を重ねてくすんだ肌から浮いてしまうのでは、と思う人もいるかもしれない。しかし、そもそもホワイトニングは自分の歯が本来持っている白さにする施術なので、異常な白さになることはない。
「むしろ、歯の色が明るくなると、顔全体の透明感も増しますし、唇もより魅力的に見えます。笑ったときに見える歯の色と、白目のトーンのバランスが合っているかどうかを基準にして考えるといいと思います」。
いずれにせよ、経験豊富な医師とよく相談することが一番だ。
Q.ホワイトニングをしてきれいに白くなっても、すぐに色が戻ってしまう。
A.「白さを維持するには半年〜1年おきに治療を受けることが必要です。個人差はありますが、歳を重ねるほど、元の色に戻りやすく、白くなりにくい傾向があります。また、喫煙や色素沈着しやすい食べ物を好んでいると歯の色はすぐに黄ばんでしまうので、紅茶や赤ワインなどを飲んだあとは水を飲む習慣を。食後に綿棒を使うことでも着色を防げます」
石井さとこ(いしい・さとこ)さん●歯科医師、口もと美容スペシャリスト。「ホワイトホワイト」院長。2012年までミス・ユニバースの歯をプロデュース。最新刊は『美しい口もと』。
『クロワッサン』1016号より
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